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レーヴァティン
第百三十三話 砦攻めその二
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「そして砦を壊し敵兵の数もだ」
「減らす」
「そうしてですね」
「それから攻めますね」
「砦を」
「砲撃と銃撃でかなり壊した時点でな」
 そこでというのだ。
「一度降る様に言うが」
「それで聞かないとですね」
「その時はですね」
「攻め入る」
「そうしますね」
「そうだ、そしておそらく」
 英雄は冷静な声でさらに語った。
「攻めることになる」
「降りませんか、相手は」
「砦を壊され兵の数が減っても」
「それでもですか」
「十倍の兵に完全に囲まれても降らない」
 そうした相手ならとだ、英雄は兵達に話した。足軽の具足も胸と腰を覆い陣笠も質がよく膝当ても肘当ても付けている。草履も履いていて足の裏まで守られている。
 その質のいい武装の兵達も見つつだ、彼等は話した。
「それならな」
「そうした状況に陥っても」
「敵は降らないですね」
「戦いは続きますね」
「最後の一兵になっても」
「そうした戦になる、九州に入るまでは」
 それまでの戦のこともだ、英雄は話した。
「なかった戦だ」
「ですね、これまではです」
「そこまで戦いませんでした」
「こうした戦になってもです」
「砦を囲んだうえで降るのが殆どで」
「攻めてもです」
 例えそこまで進んでもというのだ。
「流石にです」
「砲撃と銃撃を徹底的に受ければ」
「その時点で降りました」
「そうなっていました」
「それがだ、全ての兵を倒すまでの戦は」
 そうした徹底的な戦はというのだ。
「九州に入るまではじめてだった」
「全くですね」
「しかし相手がそうしてくるなら」
「それならですね」
「この度の戦では」
「そこまで戦いますね」
「仕方ないと言えば仕方がない、でははじめる」
 英雄は兵達に命じた、するとすぐにだった。
 大砲達が前に出されそうしてまずは敵兵達を吹き飛ばし壁や櫓、門が砲撃で破壊されそれと共に鉄砲隊が三段構えで砦を完全に囲んだうえで弾を放ち。
 敵の兵も倒していった、そして壁や門にも傷を与えていった。英雄はそうした攻めを一刻程続けさせた。
 その後で使者を送ったがやはりだった。
 敵は降らなかった、それで今度は兵達を砦に雪崩れ込ませ敵兵を全員倒した。そこまで済んでからだった。
 英雄は砦に入り傷付いた敵味方の将兵達の手当てをさせ死んだ者達は復活させる様に命じた。そうして。
 砦の中を見回しつつ周りの兵達に話した。
「この砦は潰すが」
「それでもですね」
「降ると言ってきた兵は百五十です」
「全て肥前の者です」
「肥後の者達は降りません」
「薩摩の者達もです」
 こうした国の者達もというのだ。
「肥前の者にしても三百いてです」
「降るのは百五十、半分です」
「これ位ですね」
「思ったより
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