暁 〜小説投稿サイト〜
戦闘携帯のラストリゾート
フロンティア・オリジン
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怪盗さんは乱暴な人ではなくとても冷静で優しい人のようですし・・・・・・何より、このリゾートにはこの護神の力で守られていますからね」

 その評価はちょっと照れくさい。わたしは怪盗として一生懸命それらしく振る舞ったつもりだったんだけれど・・・・・・そう思うのもつかの間。

「あのポケモンは・・・・・・」

 キュービさんの頭上には、赤と白の体をしたドラゴンポケモンがいた。人間より少し大きいサイズなんだけれど、キュービさんの頭上をくるくる回るその姿は小さな女の子のようにも見える。

「リゾートの皆さんに、ここにいるかもしれない怪盗さんに、特別に護神の力をお見せしましょう。『ミストボール』」

 護神と呼ばれたポケモンは、体から虹色のもやを放ち始める。わたしはここで正体を明かすわけにはいかないから、何もできない。虹色のもやがホール全体に広がったとき。

 飛び込み台からプールにダイビングしたような音を立てて。一瞬にしてホール全体が水で包まれた。わたしも会場のみんなも、突然体中にまとわりつく水の感触に驚く。
 まるで水族館の魚達みたいに、わたしや周りの人の体が浮く。
 
(うそ、これじゃ息が・・・・・・)
 
 キュービさんが何を思ってこんなことをしたのかわからない。水中の彼女は変わらず穏やかに微笑んでいる。
 とにかくグソクムシャを出して、であいがしらによる突進で無理やり外に出ようと考えたとき──わたしは、全く息苦しくないことに気づいた。確かに水の中にいるのに、
息を吸って吐くことができる。
 周りの人も違和感に気づいたみたいで、狐につままれた表情でキュービさんを見る人が増えた。

「・・・・・・と、これが護神ラティアスの力です」
 
 キュービさんが水中で口にした瞬間、部屋中の水が消え去った。慌てて自分の体を見るけれど、服が濡れた様子すらない。・・・・・・幻覚?
でも、ここに集まった50人以上の人に一斉に幻覚を見せるなんて、普通のポケモンじゃまず不可能だ。

「加えて私の信頼する妹たちも守ってくれるわけですから・・・・・・ふふ、怪盗さんといえども手が出せないかもしれませんね?」
【挑発のつもりか、あるいは彼女なりの激励なのか。とにかくこちらから大見得を切った以上負けられませんね?】

 キュービさんは八百長で宝石を盗ませるつもりだった。それを断って本気で盗み出すと決めたのはわたし。だから、後に引くつもりはないけれど。
 明らかに通常のポケモンとはかけ離れた力。ポケモンカードとGX技という変則ルール。
 ・・・・・・不安になるのは、怪盗らしくないのかな。
  
「さて、私がいつまでも話してもつまらないでしょうから。チュニン、進行をお願いできる?」
「はい! お任せください姉様!」
 
 チュ
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