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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第55話
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いたなんて…………」
「ハハ…………道理でヴァリマールの徴収の時のエリゼ君はエレボニアに対して相当な怒りを見せていた訳だよ…………故郷や両親が傷つけられた挙句、大切な妹まで拉致されたんだから普通に考えればエレボニアの所業に怒って当然なのに、その”怒り”をリィン君達の意志を尊重する為に抑えた結果、エレボニアは内戦での”ユミル襲撃”に対する謝罪をするつもりはなかったんだからね…………」
レンの話を聞いたアリサは複雑そうな表情で呟き、アンゼリカは疲れた表情で溜息を吐いた。
「エリゼ君ですか………正直な所、私もメンフィル帝国政府の動きに詳しい協力者を作る為にもリィン君を通じて彼女とのパイプを築きたかったんですよね…………」
「そんなことを考えていたんですか…………シスコンのリィンが知ったら、下手したらリィンの怒りを買っていたかもしれませんよ?」
複雑そうな表情で答えたトマスの話を聞いたサラは呆れた表情で指摘した。

「クロウの時は”戻ってきた時に起こる問題”はなかったのに、何故リィン達の時はそのような問題が起こるのだろうな…………?」
「それはやっぱり、”立場の違い”だと思うぜ。貴族連合軍に協力していた俺は所詮は”反逆者の一味”で、貴族連合軍が内戦に負ければ勝者側の”革新派”や皇家の連中が俺への処遇はどうとでもできただろうが、リィン達の場合は”背後にエレボニアとは別の国が控えている事”で、エレボニアが自分達の都合だけで解決する事はできねぇからな。」
「うん…………そしてリィン君達が戻ってきても、何の問題も起こらないようにする為にはオリヴァルト殿下が仰ったようにメンフィル帝国の最高権力者であるシルヴァン皇帝陛下か、今回の戦争のメンフィル帝国軍の”総大将”を務めているリウイ前皇帝陛下に話を通す必要があるけど………」
「”メンフィル帝国にとっては敵国であるエレボニア帝国に所属する勢力である紅き翼(俺達)”がシルヴァン皇帝陛下に謁見する事もそうだが、リウイ前皇帝陛下に謁見する事も相当至難の業になるだろうな。」
「というか普通に考えて”不可能”なんだけど。」
「それ以前にあたし達もオリヴァルト殿下達と共にパント臨時大使と面会できたこともセシリア将軍の気まぐれによるパント臨時大使への口添えお陰といっても過言ではないものね…………」
ガイウスの疑問に対して静かな表情で答えたクロウの言葉に頷いたトワは複雑そうな表情を浮かべ、ユーシスは重々しい様子を纏って呟き、フィーはジト目で呟き、サラは疲れた表情で答えた。

「先に言っておくけど、レンはZ組(あなた達)とパパやシルヴァンお兄様との面会をセッティングする手はずをする意思は全くないから、レンに頼っても無駄よ。」
「そ、そんな…………」
「…………先程レン皇女殿下は彼らが皇太子殿下の奪還の為に動いて
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