第五十六話 卒業式の前その三
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「本当にね」
「後輩の子なのね」
「それだけよ。どういう訳か毎日みたいに会ってるけれど」
それでお話したり色々なところに行ったりしますけれど本当にこのことは誰にもはっきりと言えることです。
「別にね」
「何もなくてなのね」
「そう、本当に同じ大教会の子ってだけだから」
「それでも毎日会ってる位縁があるなら」
それならと言うお母さんでした。
「いいかも知れないわね」
「何がいいのよ」
「それがわからないのが千里なのよね」
「どういうこと?」
「だからまだまだ人生のふせ込みが足りないの」
私にはわからないことを言ってきました。
「そういうことよ」
「人生のって」
「そのうちわかるわ、あとね」
「あと?」
「その子またうちの教会に来たら」
その時はというのです。
「おもてなししないといけないわね」
「来るかしら」
「来たらよ」
その時はというのです。
「うんとおもてなししないといけないわね」
「別にいいんじゃないの?」
「いえいえ、きっと千里にとってとても大切な人になるでしょうし」
「大切なって」
普通の後輩の子なのにです。
「そんな筈ないわよ」
「なるわ。あとお母さんこれから神殿に行くけれど」
「参拝に行くのね」
「千里もどう?」
一緒に参拝しないかというのです、母娘で。
「これからね」
「そうね、久し振りに会ったし」
それならです、私もでした。
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