第64話 踏み出す一歩
[1/9]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
side:フィー
ロレントにて自身の思いを打ち上げたエステル、彼女はヨシュアを追いかける覚悟が出来たみたい。ならここからする事はカシウスに協力してもらうことになるね。
「どうして父さんの協力がいるの?」
「ん、流石になんの情報もなしに行動するのは無謀。カシウスの様子を見るに絶対に何かを知っているはず」
「でも昨日は父さんなんて関係ないって言わなかった?」
「それはカシウスの言う事を聞く必要はないって意味。流石にあの人の助けなしでヨシュアを探すのは無理がある」
「あっ、それもそうよね」
ヨシュアの事を一番知っているのは恐らくカシウスだ、だから彼の協力は絶対に必要なものになるはず。
「でも父さんはあたしに関わるなって言ってたわ。とても協力してくれるとは思えないけど……」
「カシウスはエステルが心配なんだと思う、わたしも猟兵になりたいって団長に言っても長い間認めてくれなかった」
「そうなんだ……ならどうやって認めてもらったの?」
「団員の皆に助けてもらったっていうのもあるけど一番はやっぱり何度断られても諦めない事かな。あっちが折れるまで何度でもお願いするといいよ」
「そんな事で上手くいくのかしら……」
「だいじょーぶ、父親は娘に弱いから。あの光の剣匠や風の剣聖、更には赤い戦鬼も娘には弱いのを何度も見てきた」
「えっと、風の剣聖は聞いたことあるけど後の二人は誰?」
わたしは光の剣匠や赤の戦鬼について説明をするとエステルは目を丸くして驚いていた。それがちょっと面白くて口元が緩んじゃった。クスクス。
「フィーって大物と知り合いなの?」
「まあウチの団は最高ランクの実力を持ってるし依頼も偉い人からの物が多いから結構な有名人との出会いも多いよ」
「話には聞いていたけど相当なのね、西風の旅団って……リィン君やフィーも優しいし猟兵って皆そんな感じなの?」
「わたし達は感情で動くことも多いけど猟兵は基本はミラで動く者だよ。どんな汚れ仕事でもするから相対したら油断は禁物、絶対に仲よくしようとはしないでね」
「そうなんだ。でもフィーみたいな優しい子もいるし遊撃士だって良い人ばかりじゃないからあたしは自分の目で見て判断するわ」
「やっぱり変わってるね、エステルって」
基本的にエステルは自分の直感を信じるタイプなので相手が猟兵や悪人でも差別しないで接しようとする。お人よしだし甘いとは思うけどそれがエステルの魅力なんだろうね。
「じゃあ直ぐにグランセルに戻ろっか、一応アイナには話してあるから連絡はいっていると思うけどきっと皆心配してるよ」
「えっ、いつのまにアイナさんに話したの?」
「ケビンが軽く事情を話してくれたみたい。昨日も夜訪ねてくれたしここを去る前にキチンとお礼
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ