第64話 踏み出す一歩
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せる。
まあわたしもあの人なら予想していてもおかしくないとは思うけど、本当にチートだよね。
「だったら話は早いわ。少佐さん、父さんの所に案内してくれる」
「勿論だ、着いてきてくれ」
マクシミリアンはそう言うと要塞の中に入っていったのでわたし達も後をついていく、初めて要塞の内部を見たけどこうなっていたんだ。意外と広いね。
それから少し歩いていくと軍服を着たカシウスがいた。
「父さん……」
「来たか、待っていたぞエステル」
「その言い方だとあたしがここに来ると予想していたのかしら?」
「あくまで予想だ。もしあの時お前が折れたり俺に頼ることなく勝手にヨシュアを探しに行くようだったら俺はお前を今回の件に一切関わらせるつもりはなかった。だがお前はこうやって俺の前にちゃんと来たじゃないか。あの考えなしに行動するが基本のお前も少しは成長したようだな」
「あたしの大事な友達、仲間達があたしを支えてくれたの。だからあたしはここにいる」
エステルは臆することなくカシウスにそう話す。
「父さん、ヨシュアは一体何者なの?父さんなら知っているんでしょ?」
「……そうだな、お前には知る権利がある。ヨシュアと俺がどう出会ったのか、それを今話すとしよう」
カシウスはヨシュアとの出会いを話し始める。でもわたし達も聞いていていいのかな?気にはなるけどかなり込み入った話になりそうだし……
でもカシウスはわたしの方に視線を向けるとコクリと頷いた。これは聞いてもいいって事かな?なら遠慮なく聞かせてもらおう。
「あれは俺が遊撃士の仕事で国外にいた頃の話だ。夜の街道を歩いていた俺の頭上から音もなく襲い掛かってきたのがヨシュアだった」
「襲った……!?ヨシュアが父さんを……!?」
いきなりの衝撃的な話にエステルは驚いていた。そりゃそうだ、まさかヨシュアがカシウスを襲ったなんて思いもしなかったからだ。
「本当に紙一重だった、後一瞬気が付くのが遅れていたら俺は死んでいただろう」
「奇襲とはいえおっさんに傷をつけるとは……最初に出会った時から何か普通じゃねえなとはとは思っていたがとんでもない奴だな」
「気配の消し方、奇襲のタイミング、身のこなし……全てが子供とは思えないほどに鍛え上げられていた。まさに殺し屋という言葉を体現したかのような子だった」
「ヨシュアさんがそんな……」
「信じられないよぅ……」
アガットやジンは奇襲とはいえカシウスに傷をつけたヨシュアに改めて驚いていた。わたしもヨシュアの戦い方に何か猟兵のような感覚を感じたけど、殺しに特化した訓練をされていたのかもしれないね。
でもそれは戦いに慣れたわたし達の感想、それとは
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