第64話 踏み出す一歩
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何処に言っていたんだ、このいたずら猫は。おかげで昨日帰るはずだったのに予定が遅れちまったじゃねえか」
「ん、ごめんね。迷惑かけちゃった」
「まあいいさ、お前が何も言わずにエステルの嬢ちゃんを追いかけたって事はそれだけあの子が追い詰められていてって事だろうしな。今の嬢ちゃんの様子を見るにどうやら吹っ切れたみたいだな」
「うん、バッチリだよ」
「そうか、よくやったな」
団長に向かってVサインを送ると団長はニカッと笑ってわたしを褒めてくれた。
「団長、ちょっとフィーに甘すぎないか?一応心配はかけたんだしさ……」
「フィーはお前と違って嘘はつかないからな。それにお前がそれを言える立場か?」
「うぐっ……」
「まあ仕方ないな、そなたは心配をかけさせることにおいては他の追随を許さないほどだ」
「ラウラまで……」
リィンが団長にジト目でそう言うが逆に団長に呆れた視線を返されてたじろいでいた。まあラウラの言う通りリィンは一人でどうにかしようとする癖が強いから改めるべき。
「ほらよ」
「わわっ!?」
団長はわたしをリィンの方に渡すと彼の腕の中にスポッと収まる。リィンは急にわたしを渡されたからビックリしていたけどちゃんとキャッチしてくれた。
「ん、ナイスキャッチ」
「まったく……おかえり、フィー」
「ただいま、リィン」
リィンはそう言ってギュッと抱きしめてくれた。本当はこのままキスでもしたかったけど流石に恥ずかしかったので自重する。
「エステルさんを助けてくれたんだな。俺も心配していたから本当に良かったよ」
「ん、ご褒美はちゅーでいいよ」
「調子に乗らない、心配はしたんだからな」
「ちぇっ、残念」
「本当に反省しているのか?」
「あうっ、いふぁいよ」
地面に下ろしてもらうとほっぺをむいーっと引っ張られた。痛いよー。
「それでエステル、お前はどうする気なんだ?」
「決まってるわ。あたしはヨシュアを追う気でいる」
アガットの質問にエステルはヨシュアを追うと返答する。
「でも先生に反対されたでしょ?それでもヨシュアを追うつもりなの?」
「当たり前よ。あたしはヨシュアが大好き、だから父さんに止められてもあたしはヨシュアを追うつもりよ」
「良く言ったわ!それでこそ私の妹分ね、今回の件については私はアンタの味方よ、エステル!」
「わ、私もお姉ちゃんを助けたい!だから力にならせて!」
「私もエステルさんの力になりたいです。一緒にヨシュアさんを探しましょう」
「勿論私もエステルちゃんの味方だよ!」
「シェラ姉、ティータ、クローゼ、アネラスさん……ありがとう!」
女性陣はエステルの味方をしてくれた。まあそうだよね
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