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妖精のサイヤ人
第四話:圧倒的!雷を操る魔道士の桁違いなパワー!
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裕そうな(ヅラ)してよく言うじゃねえか…!本当、強えよアンタ…」

「いやはや、某なんてまだまだ。…これでもまだ才能がない身とはいえ、鍛錬続けて漸くこの極致の扉に立ったに過ぎん」

「才能が…ない…!?嘘だろおい…アンタそんなに強えのにどこが才能がないと…!!!」

ふざけた話だ、そうネロが言ってしまいたくなるのは仕方ない。自分が漸く大猿の力を引き出して互角だというのに、目の前の男は自分に才能がないといいながらまだ自分が強くないと言っている。
確かに、控室にいるラクサスも規格外に強く感じるが、それでもこの男も負けていない。そうネロがギグリと戦って感じた感想だ。
―――しかし。

「―――ネロよ」

ネロが考えより、この世界は規格外だ。

「某は、この広い世界を旅して数々の強者と出会い、敗北した」

「――は…?」

舞空術していたネロは力が抜けたように武舞台に着地して、呆然としてギグリを見ていた。
この男の発言が信じられないと思いながら。

「某がいくら鍛えたところで、勝てる見込みのない者もいる。勝てない化け物、モンスターすら存在した」

ギグリは、魔法を使わない。いや、使おうという発想もないが…もし使ったとしてもあまり効果がない。
なにせ、彼自身はその魔法を酷使する”才能”がないのだから。
だからこそ、己の長所を極めてきた―――それでも敵わない者が存在している。

「…まだ試合中であったな。ならば―――この話の続きは此度の試合が終わってからしようか…今はまだ、某が其方より強者故に…勝たせてもらおう」

「アンタ…」

「構えよ。…もっと戦るのだろう?」

「…ッ…ハハッ…全くもう…」

オレってば…どこの星にきてんだ全く…そう零したくなるような言葉を飲み込み…ネロは頭の中にある雑念を心の隅に追いやることにした。まだ、整理してはいないが…それでも。
控室にいる――雷の少年と戦いたいのだから、だからこの試合に勝つ。

「「―――ッ!!」」

まだヒートアップする試合、気づく実力差、世界の広さ。
色々ごちゃまぜになりながらも、それでも強く、そして戦いという欲求に従っているサイヤ人になった転生者の口は笑みを浮かべていた。
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