コラボ特別編:響き翔く天の道
乙女の嫉妬と迫る魔の手
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には……。
「ッ!翔くん……」
息一つ切らさずにこちらへ向かって来る、翔の姿があった。
その頃、二課も響のいる場所を見つけ回線を繋ごうとしていた。
ちょうど同じタイミングで、ネイティブ捜索をしていた藤尭が、公園のカメラに接続したところだった。
「響ちゃんの隣にいるのは……翔くん?」
友里が呟いた次の瞬間、藤尭は焦りを顔に滲ませて叫んだ。
「いえ、ネイティブですッ!」
「なんだとぉ!?」
モニターに表示された翔にサーモグラフィーをかける。
その体温は、人間に比べて異常なまでに低い。ネイティブの擬態である事は明白だった。
「すぐに響ちゃんに連絡を……」
「ダメだッ!ネイティブに気付かれる可能性の方が高いッ!」
「しかし……!」
どうにかして響に危機を伝えなくては。司令室に緊張が走る。
「翔の端末の反応は?」
「翔くんのですか?……ッ!ありました、現場からそう遠くない距離です!」
「通信繋げッ!急行させるんだッ!」
そして、友里からの通信は迅速に、翔の元へと届いたのだった。
「探したぞ、響。まったく……手間をかけさせる」
翔は呆れたような顔で、響の方へと歩み寄る。
「そのっ……翔くん……。さっきは……」
「ん?何の事だ?」
「だっ、だから……さっきは、その……あんな事言っちゃって……」
響と翔の距離が更に縮まる。
「ああ……別に、気にしてないぞ。俺も悪かった」
もう、手を伸ばせば届く距離まで来ている。
響は自然と後退った。
「行くぞ。皆が待ってる」
差し伸べられた手。それは一見、いつもと変わらないように見えて……しかし、響は何処か違和感を感じていた。
「ほら、これ以上姉さん達に心配かけられないだろ?」
「う、うん……」
違和感の正体が掴めないまま、翔の手を取ろうとしたその時だった。
「響から離れろッ!!」
翔の後ろから聞こえた声に振り向く。
そこには、息を切らせて翔の方を睨み付ける、もう一人の翔の姿があった。
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