コラボ特別編:響き翔く天の道
乙女の嫉妬と迫る魔の手
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街。翔は見失ってしまった響を探し、走り回っていた。
(同じ“立花響”とはいえ、響の前で他の女の子とあの距離で話すのはまずかったか……)
翔は後悔を溜息として吐き出す。
相手が同じ響だから、つい気を抜いてしまった。
天道響とああして話せた事そのものに後悔は無いが、距離感にはもう少し気を遣うべきだった……。
早く見つけて謝らなくては……。
激しい焦燥が彼の心を掻き立てる。
「心配なのか?彼女の事が」
「え?……って、天道!?」
声のした方を見ると、天道響がこちらへ向かって歩いて来る。
「こっちには居なかったぞ」
「探してくれてたのか……?」
「責任の一端は私にもある。それくらいの責任は果たすさ」
「すまない……。いや、ありがとう」
翔は天道響に頭を下げる。
そして二人は、まだ見ていない方面へと足を運んだ。
「翔、ところでお前……よく気がついたな」
「え?」
天道響からの呟きに、翔が足を止める。
「私がただの、“並行世界の立花響”ではない存在である事だ」
「ああ……。もしかして、言ったらまずかったか?」
気まずそうな顔をする翔に、天道響は首を横に振る。
「いや、取り立てて吹聴するような事でもないからな。誰にも話した事はないし、話した所で何があるわけでもない。その程度の事情さ」
「そうか……。それにしても、まさか前世の記憶があるなんてね。しかも、生まれ変わる前は並行世界の住人だったなんて」
「最初は戸惑ったさ。まさか、転生した世界にはあの人も、あの人の物語も存在しないなんて……。少し、いや、結構ショックだったかな……」
天道響は、普段、元の世界の仲間達には見せない表情でそう語った。
「だから目指したのか……天の道を」
「そうだ。あの人が居ないなら、私があの人のようになればいい。そう考えた私は、あの人を目標に生きる事を決めた」
「世界を隔てても、天道さんと繋がっていたい……という事か?」
「お前、中々のロマンチストだな。……でも、そうなのかもしれないな……」
仲夏の太陽に手を伸ばし、天道響は呟く。
(彼女は本当に、天道総司という男を心の底から敬愛しているんだな……)
翔はそんな天道響の姿に、一種の“愛”を感じずにはいられなかった。
「そして、その手にカブトゼクターを掴んだ……か。凄いな、天道は。天の道を貫き続けて、本当にその手に未来を掴んだなんて」
「あの人にはまだまだ程遠いよ。でも、褒め言葉として受け取っておこう。……翔、そう言うお前はどうなんだ?」
そう言って、天道響は翔の方を振り返る。
「男性のシンフォギア装者なんて、私の世界どころか、少なくとも私が行ったことのある世界でも聞いたことがない。しかも、自分の手で
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