暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第7章:神界大戦
第226話「怖くて、それでも」
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する余裕がなかったので……」

「そっかぁ……まぁ、一人ずつ聞いていけばええやろ」

 そう結論付けて、一旦思考を止める。

「ふっふっふ……お困りのようだね」

 すると、そこへ一人の来客が現れた。

「……レヴィ?どうしたんや?一人で」

「王様から小鴉ちんに届け物だよ!」

「っと……これって……!」

 レヴィは、そう言ってはやてに何かを投げ渡す。
 はやては咄嗟にそれを受け取り、確認する。

「王様も結構傷が深かったみたいだから、小鴉ちんに任せるってさー」

「……さすが王様やなぁ。おかげでもう少し解析できそうやわ」

 受け取ったもの。
 それは神界での戦闘データが詰まった情報媒体だった。
 ディアーチェもまた、戦闘を記録していたのだ。

「そっちは大丈夫なんか?」

「うーん、シュテるんは重傷だったし、王様も動けないし……アミタとキリエは一番やられてたから、今動けるのはボクとユーリ、後はサーラだけだよ」

「……そっちもそっちやなぁ……」

 洗脳されていた時、近接戦を仕掛けていたメンバーは優輝が上手く誘導していたおかげで、同士討ちの対象外に出来た。
 しかし、後衛のメンバーはその誘導が間に合わないため、重傷者が多い。
 シュテルとディアーチェもそれが要因で大怪我を負っていた。
 アミタとキリエに至っては、グランツ博士がいなければ確実に死んでいた程だ。
 
「ユーリとサーラは体の調子を確かめに行ったから、こっちはボクが来たって訳」

「……二人は、諦めてへんのやな」

 既に、ユーリとサーラは動いていた。
 シュテル達の傷の治療自体は完了しているため、別の事をしているのだ。
 一秒一秒を、無駄にしないために。
 それを知って、はやては呟くようにそう言った。

「……?なんで諦めるの?」

「なんでって……」

 レヴィに当然のように返され、はやてはそこで言い淀む。
 “勝てないと思ったから”。理由としては単純だ。
 だが、それを理由にして、“逃げている”だけだと気づいた。

「(……そっか。結局、私達は怖いから逃げてるだけなんや。どうしようもなく強大で、勝てる気がしない相手。だから、私達は怖かった。また、あんな風に蹂躙されるんやないかって。……それじゃあ、ダメなんや)」

「小鴉ちん?」

「……いや、何でもないよ。データ、ありがとな。ディアーチェにも、目が覚めたら伝えといて」

「どういたしまして!それじゃあ、ボクは戻るね!」

 元気にレヴィは部屋を後にする。
 それを見送ったはやての表情は、心なしか晴れやかになっていた。

「レヴィのおかげで、少し前向きになれたわ。シャマル、確認するけど、二人はもう目が覚める
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