第7章:神界大戦
第226話「怖くて、それでも」
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「いえ……はやてちゃんの気持ちは、私にも分かります」
何をしても勝つ事が出来なかった。
その事実がはやて達の心を苛み、その場に立ち止まらせる。
それは歴戦の戦士であるシグナムやシャマルも同じだった。
「……主よ」
「はやてちゃん!」
そこへ、別行動していたアインスとリインが戻ってくる。
会話は聞いていたようで、二人共少し悲しそうな表情をしていた。
「神界での戦闘データ、解析が終わりました」
「戦闘での傾向や、エネルギーの量、諸々は判明したです。……ですが、やっぱり、半分程は解析すら通じなかったです」
「そっか……まぁ、一部が分かるだけ御の字やなぁ……ご苦労様、二人共」
二人を労わり、はやてはデータを受け取ってそれを確認する。
ちなみに、そのデータはリンディを通して管理局や退魔師全体にも今後の参考として行き渡っている。
「……半数が、戦士としての戦闘技術は大した事のない、能力によるゴリ押し……か。やっぱり、“性質”がその神を表しているんやな」
判明したデータの中には、神々の戦闘時の癖などもあった。
半分程は戦闘向きの“性質”ではないため、戦闘技術が大した事がなかった。
だが、それを“性質”によるゴリ押しで何とかしているようだった。
「裏を返せば、戦闘に関する“性質”を持つ神は、相応の戦闘技術も持ち合わせてるって事か……厄介極まり……いや」
ただでさえ厄介な“性質”に加え、戦闘技術もある。
どうしようもないと思えて……ふと、はやては気づく。
「(“逆”や。戦闘技術もあるから厄介なんやない。むしろ、“戦闘向き”な“性質”なら、やりようはある……!?)」
そう。勘違いしていたのだ。
神界の神が自分のルールである“性質”を押し付ける。
それと同様に他の存在もその在り方を押し付けていた。ここまでは分かっていた。
そして、その法則によって、“戦い”が成立している。
はやては、そこにあるポイントに気づいたのだ。
なまじ“戦闘”として長けている神は、それだけ自分以外の“性質”に感化されてしまっているということに。
「(“武術”とか“戦闘”とか、直接そのまま関係している“性質”ならいざ知らず、関連してるだけで戦闘技術が高まるなんて、そういう事なんか……?)」
だが、確信するにはまだ早い。
情報が、はやての手持ちだけでは圧倒的に足りない。
「主……?」
「はやてちゃん……?」
急に黙り込み、考えるはやてを心配するアインスとリイン。
シグナムとシャマルも何事かと見ていた。
「……やっぱり、情報が足りひんねんな……。アインス、他に記録とか取ってた人とかおらんかったか?」
「……いえ、気に
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