第7章:神界大戦
第226話「怖くて、それでも」
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もリニスと同じ考えだった。
今まで培ってきた力の全てを、悉く凌駕されたのだ。
限界以上の力をぶつけてなお、通じない。
そんな相手に諦めずにいるというのは……非常に難しい。
「……っとと……」
「無理しないでください。まだ目覚めたばかりですよ」
「そうなんだけどね……。とりあえず、皆の様子を見て回りたいよ」
ふらつきながらも立つアリシアを、リニスが支える。
「何にしても、まずは食事をとってください。神界では飲まず食わずだった事もあって、空腹なはずですから」
「……そうだね。そうするよ」
「では、少し待っていてください。すぐにお持ちしますので」
そう言って、リニスは食堂へと駆けていった。
その際、アルフも一度食事のために席を外す。
それを見送ってアリシアは……
「っ……!はぁ、はぁ、はぁ……!」
抑えていた“震え”を解放した。
「ふ、っ……く……!」
自分を抱きしめるように腕を回し、ベッドの上でうずくまる。
「っっ……はぁ、ふぅ、ふぅ……」
深呼吸して落ち着かせ、何とか震えを落ち着かせるアリシア。
「(―――怖い)」
そんな彼女の心を占めていたのは……“恐怖”の感情だった。
「(怖い、怖い、怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖いこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ……!)」
蹂躙され、何度も殺された。
結果的に、こうして生き延びているとしても、その事実は記憶に刻まれている。
そして、その記憶はアリシアに恐怖を植え付けるには十分過ぎた。
「(なんで、あんなの、一体、何を、どうしたら……!)」
支離滅裂に心の中で自問し続ける。
答えは出ない。何をやっても勝てない相手に、考えた所で意味がないからだ。
「……凄い、なぁ。なのはと奏は」
なお立ち上がる二人に、アリシアは素直に感心する。
自分がこうしてトラウマに苛まれているというのに、二人はまだ諦めずに、恐怖に苛まれずに“次”に備えているのだから。
「お待たせしまし……アリシア!?どうしたのですか!?」
「ぁ……リニス……」
見送るまでは隠していたのに、結局リニスにばれてしまう。
心配して駆け寄ってくるリニスに、アリシアは力ない笑みを作る。
「私がいない間に何が……」
「ごめん……ちょっと、神界の時の事を思い、出して……!」
リニスに見られた事で、抑えが効かなくなったのか、再び体が震える。
その尋常じゃない怯え方に、さすがにリニスも理解する。
「……トラウマになったのですね」
「う、うん……」
「……すみ
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