第十五話 たまには食事でも楽しもう
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ァレンシュタインが頷いた。可能性は有る。帝国を混乱させる最大の要因、後継者問題か……。イゼルローンで失敗した、貴族の反乱で失敗したとなれば……。
「宮中にフェザーンの手が伸びているというのじゃな」
「或いはこれから伸ばそうとしているのかもしれませぬ」
「有り得る事よ」
そこまでやるかという思いも有る。だがカストロプにフェザーンが関与していた。フェザーンも帝国がその事を知ったと判断している筈。となれば帝国の報復を避けるためにも陛下を暗殺し内乱を起こさせようとするかもしれぬ。いや、それだけでは無い。内務省に調べさせているフェザーンが接触した貴族達、あの者共が動く可能性もある。ヴァレンシュタインの危惧を杞憂とは笑えぬ。
「如何する?」
「この宮中にて仕える者を全て調べる必要がございます」
「暴発するぞ、却って陛下の御命が危ない」
「陛下には新無憂宮を離れて頂きましょう」
「……何処へ御移り頂く」
「ブラウンシュバイク公爵邸、リッテンハイム侯爵邸に」
「……」
両家とも陛下の女婿、妥当な選択では有るが……。ヴァレンシュタインが笑みを浮かべた。如何して笑えるのだ!
「両家とも細心の注意を払って陛下をお守りしてくれましょう。万一の時は後継者争いからは脱落する事になります」
「なるほど、そうじゃな。これから陛下の下に参る。卿も同道せよ」
「はっ」
急がねばならん、陛下が危ない。小走りに急ぐと後ろからヴァレンシュタインが付いて来た。護衛も一緒に。この連中、血圧は大丈夫だろうな。
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