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銀河英雄伝説〜其処に有る危機編
第十五話 たまには食事でも楽しもう
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「……」
「この状況で内乱が起きればどうなると思う……」
エーリッヒが俺達を見た。
「貴族達が勝てば卿は殺されるな」
「甘いな、アントン」
エーリッヒが冷笑を浮かべている。

「貴族達が勝つ事は無い、ローエングラム伯が勝つだろう。だがその時はゴールデンバウム王朝は終わる」
シンとした。
「クーデターか?」
ギュンターが問うとエーリッヒが頷いた。
「千載一遇の機会だ。宇宙艦隊を率いて貴族達を滅ぼす、返す刀でリヒテンラーデ侯、帝国軍三長官を倒し実権を握ろうとするだろう。後は簒奪まで一直線だ」
ギュンター、ナイトハルトと視線を合わせた。有り得るだろうか?

「その時は私も殺されるだろうな」
「しかし宇宙艦隊の司令官達はローエングラム伯よりも卿に心服しているだろう」
ギュンターの言葉にナイトハルトが頷いた。
「帝国軍三長官の懐刀を生かしておくと思うか? それにローエングラム伯の意のままに動く人間が居ないとでも?」
またギュンター、ナイトハルトと視線を合わせた。二人とも難しい顔をしている。

「卿の懸念は分かった。俺も正直に言う、内乱が起きるのは危険だと公は考えている。俺も同感だ。その点では利害は一致するだろう。話し合いの中で何か生まれるかもしれない。公に提案してみよう」
「有難う、助かるよ」
ギュンター、ナイトハルトに視線を向けた。二人とも頷く。まあこれで二人の協力は得られるだろう。



帝国暦487年 12月 5日 オーディン   エーリッヒ・ヴァレンシュタイン



三人が帰った。十二月か、もう遅いかな? 原作ではフリードリヒ四世は死んでいる。しかしこの世界では未だ生きている。やはり原作でのフリードリヒ四世の死は自然死じゃないのかな? オーベルシュタインが動いた? 良く分からんな。原作ではフリードリヒ四世の死が内乱へと繋がった。この世界でもそれが起きれば俺の命は危ういだろう。

人間何時かは死ぬ。フリードリヒ四世の死は避けられない物として考えるべきだ。となれば問題は内乱を起こさせないためには如何するかだ。そこを考えるべきだろう。或いは内乱が起きてもそれがラインハルトの覇権に繋がらないようにする。そんな手が有るのか……。

内乱が起きた理由は後継者問題だ。エルウィン・ヨーゼフ二世には後ろ盾が無くエリザベート・フォン・ブラウシュバイク、サビーネ・フォン・リッテンハイムには後ろ盾が有った。それが理由だ。となればその二人が後継者レースから降りてしまえば内乱は起きない。貴族達も求心力を失いバラバラになるだろう。

そんな上手い手が有るか? ……有るなあ。あの二人は遺伝子に問題を抱えている。エリザベート、サビーネが女帝になればゴールデンバウム王朝は女帝が続くだろう。当然だが皆が首を傾げるに違いない
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