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戦闘携帯のラストリゾート
チャンピオンとシャトレーヌ
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。そんなの・・・・・・そんなの、わたしにも身に覚えのあることだ。
 家族だからといって、必ず仲良しじゃない。
 彼とベンチで話したとき、サフィールは何気ない風にこう言ってた。
 “また姉さん達に騙されたのかと思った”
 言い方を柔らかくしただけで。本当は、わたしみたいに姉さん達に虐められてた?
 
「だから、同情するなって・・・・・・敵として扱えって?」
【ラディと彼の境遇はおそらく似ている。でも、赤の他人です。考え方も行動基準も不明。だから、隙を見せるようなことはしないでください】

 サフィールをわたしから突き放すような言い方だ。でも、怪盗という立場で来ていることを思ってこそなのがわからないほど子供じゃない。・・・・・・つもりなのに、どうしてか胸を刺すような痛みがする。
 昔、自分を虐めていた姉さんに死んじゃえばいいと口に出したときの自分に対する嫌悪感に似ていた。

【ふむ、スズの言い方が悪かったですかね?】

 わたしの表情が沈んでいるのに気づいたのか、スズが心配そうに尋ねる。
 
「・・・・・・いいよ。スズに人の心がわからないのは今に始まったことじゃないし」
【おや、AIに対して手厳しい】

 スピーカー越しにクスリと笑う反応は人間のそれと何ら変わらない。でもスズはあくまで機械の体を持つ電子で動く人工知能・・・・・・普段は冗談として流してるけど、人間相手の細かい言葉選びは不得手と本人も認めている。
 わたしが怪盗として完全に振る舞えないように、スズにだって苦手なことはある。すべてにおいて模範解答を示せる存在なんて、わたしは一人しか知らない。
 だから、受け入れなきゃ。サフィールはあくまで怪盗を捕まえに来る、シャトレーヌ達と違って何をするのかわからない相手。

「キュービさん以外のシャトレーヌの情報はわかるの?」

 話を切り替える。キュービさんがサフィールの情報を隠しているのなら、彼女の姉妹であるシャトレーヌ達にも秘密があるのかもしれない。
 
【ええ、彼女たちは一般市民の前でバトルを振る舞うリゾートの象徴みたいなものですし、簡単に調べられますよ】
「じゃあ、まずチュニンさんのことを教えて」

 予告状を出しに行った時にバトルした、格闘使いの女の人。燃えるような真っ赤な髪と、鋭い身のこなしでこっちに近づいてきたとき思わず避けたのがとても印象に残っている。

【彼女はチュニン・ハオ。幼い頃、シャトレーヌの一人であるマダム・ウェザーの養護施設に引き取られ、数々の格闘術とポケモンによる自衛技術を修めました】
「本人も戦えるし、バトルの腕もキュービさんが認めてる・・・・・・ってことだよね」
 
 バトルしたときも、最後に現れたジャラランガは一撃で倒しきれなければどんな強力な反撃をされたかわ
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