第54話
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ィン皇女殿下を差し出す事はさすがに問題があると思われるのですが…………第一トールズの一員であり、殿下がエレボニアの”第三の風”を吹かす為に結成した”Z組”であるリィンや我々が内戦終結に貢献するのは当然の事なのですから報奨等は必要ないと思われます。」
オリヴァルト皇子の意志を知ったユーシスは驚き、ラウラは困惑の表情で意見をした。
「確かに”リィン君はエレボニア帝国の士官学院の学生ではあったが、それ以前に彼はメンフィル――――――他国の貴族であり、軍人でもある”のだから、そのような”エレボニアにとっては客人の立場”でありながら内戦を含めたエレボニア帝国内で起こった問題解決に貢献してくれた彼に相応の報奨を与えるのがアルノール皇家――――――いや、”エレボニア帝国の義務”だ。そうでなければ周りの人達――――――特に彼をトールズに留学させてくれたリウイ陛下達メンフィル帝国に”示し”がつかないし、納得してくれないよ。」
「貴族や軍人がそれぞれの活躍が称される事で陞爵や昇進するのと同じようなものという事ですね…………ラインフォルトグループ会長であるイリーナ会長の娘のアリサ君も今の殿下の話については理解できるだろう?」
「はい…………社員や幹部の人達が功績を上げてもそれが正当に評価されない――――――つまり昇給や昇進されなければラインフォルトグループに愛想をつかせて離職するのと同じように、例え今回の戦争の件が無かったとしても、メンフィル帝国から留学してきているリィンが内戦で活躍した件を正当に評価しなかったエレボニア帝国とリィンを留学させたメンフィル帝国の関係が悪化するという事ですよね…………」
「…………ま、エレボニア――――――というか鉄血宰相はリィンを”正当に評価するどころか、利用するつもり”満々だったもんね。」
「そして実際にそんな事が起これば、”黄昏”の件がなくてもエレボニアとメンフィルの国家間の関係が悪化して、遅かれ早かれエレボニアとメンフィルの戦端が開かれる事になったでしょうね…………」
オリヴァルト皇子の話をすぐに理解したアンゼリカに話を振られたアリサは複雑そうな表情で同意し、静かな表情で答えたフィーの言葉に続くようにサラは重々しい様子を纏って推測した。
「それとこれを君達に伝えるのは心苦しく思っていたのだが…………君達Z組――――――いや、”紅き翼”が目的の一つとしているリィン君とセレーネ君がZ組に戻ってもらう件だが、最低でもリウイ陛下、もしくはシルヴァン陛下からリィン君達が紅き翼の一員として活動する許可を取る事ができなければ、かつてのクロウ君のようにリィン君達がZ組に戻ってもらう事を目的とする事は止めて欲しい。――――――これはエレボニア帝国皇子として…………そして私個人の両方の意志としての”要請”だ。」
そしてオリヴァルト皇
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