第09話 高町なのは最初の挨拶 後編なの(高町なのは@6歳)
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は相手のGKにスーパーセーブされてしまった。
なのはにダブルタッチを見破られ、ボールが奪われた時には地面を叩いて悔しがり、なのはのプルアウェイからのクロスをブロックした時には、思わずガッツポーズを作り、喜びを露にしてしまう。
楽しい、楽しい、楽しい、タノシイ。何時しか、すずかの顔には心の底からの笑みが浮かんでいた。
エラシコが、オコチャダンスが、シザーズが、クライフが、ラボーナが、なのはとすずかのサイドにおける攻防へ花を添える。
サイドでの1対1、チームでもとりわけ優れたボールテクニックの持ち主にのみ許される、サッカーの精華である。
隣のピッチでプレイしていた恭也、もとい、児童達は既にこの試合の観戦へ移行し、なのはとすずかが激突する度に歓声を上げていた。
そして、そんな好敵手《ライバル》同士の熱血バトルは双方のチームメイトに火を着けた。
ずっと沈黙していたアリサチームの10番がマルセイユルーレットを交えた鬼キープで観客を沸かせたかと思えば、翼くんと岬くんがリフティングワンツーで大胆な中央突破を試みる。
ボランチのアリサが見事な先読みでクリーンなインターセプトを行い、すずかにフィードを送る。
なのはによってスペースが創出された左サイドから、ピンポイントクロスが上がり、ゴールを脅かす。
たびたび訪れるゴール前のピンチを跳ね返し続けるアリサチームのCB。
ピンチの後にはチャンスあり、とばかりにアリサチームのGKがロングスローですずかへ絶妙なボールを供給する。
それに負けじと、すずかとの1対1の危機を再三に渡って阻止して見せるなのはチームのGK・・・・・・
こうして、永遠に続くかと思われた好ゲームだったが、ついに終わりの時が来る。
ゲームが終わる時――それはホイッスルが鳴った時だろうか?いや、この時は違った。一つの伝説の誕生が、ゲームを終わらせたのだ。
なのはがすずかのマークを外すため、思い切って最終ラインに吸収される形でボールを受ける。
一瞬のシンキングタイムからなのはを追う足が鈍り、慌てて全力疾走で距離を詰めて来たすずか。
その隙を見逃さず、右、、、逆足のインサイドでボールタッチし時計回りに反転、なのははマタドールのような流麗なボディワークで、己の左半身へ当たろうとしていたすずかを空転させた。
そうしてなのはは悠々とボールをセンターラインを越える位置まで運び、そこから右足を一閃。フィールド上の全員の意表を突くロングシュートを放った。
当初、地を這うような軌道を描いたシュートは徐々に浮き上がり、ゴール左上隅に突き刺さる。GKにはノーチャンス。エル・ゴラッソ。
―― 一瞬、静まり返ったピッチと観客。その後に、本日最大の歓声が上がった。
―――― 「悪魔の右足」高町なのは ・・・伝説が、産声を上げた瞬
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ