第09話 高町なのは最初の挨拶 後編なの(高町なのは@6歳)
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えるのよ!!」
左ウィンガーに月村すずか、なのは《バケモノ》の対面に吸血鬼《バケモノ》を配置する、実に理に叶った采配である。
アリサ当人はそんな裏事情は知ったこっちゃないのだが、、、むしろ、その事実こそが即興で最適解を導き出すアリサの恐ろしさを端的に物語っているのではなかろうか。
しかし、そんなアリサの采配をあざ笑うかのようなプレーを神崎が見せる。
すずかの鬼のようなチェイシング《プレッシャー》から解放された神埼は、中盤で悠々と立ち回り、ギャップに居る山田へ良質なパスを供給し始めたのだ。
その期待に応えるかのように、ワンタッチ、ツータッチでいとも簡単に前を向き、スルーパスにミドルシュートとやりたい放題を始める山田。
終いには山田のボールキープから神埼の飛び出しにまで発展し、シンプルなコンビネーションで中央を崩され、2点目が決まり、前半終了。何この翼くんと岬くん状態・・・・・・9番の子も絡めてやれよ。そしたらもう1点くらい取れた。
ハーフタイム、一見すると絶望的な状況であったが、アリサの灰色の脳細胞はそれを否定していた。
どうして失点してしまったのか?答えは簡単。プレスが甘いからである。何故プレスが甘いのか?マークが曖昧だからである。
アリサは前半消えていた自チームの10番に神崎を見るよう注意を喚起、同時に1トップへもCBを捨て、時には自陣まで戻っての守備を要請する。
これは泥縄的な対応であり、延々押し込まれ続けかねない策だが、アリサにはか細いながらも勝機が見えていた。
それは、驚異的なスピードを持ったなのはを消し続けているすずかの存在である。
9バック気味にして守備ブロックを固く引き締め、あえて相手にボールを渡し、すずかへのロングボールからカウンターで一撃作戦。これしかない。
そして、後半キックオフ。
言うまでも無い事だが、アリサの作戦で最も大変なのはすずかである。常にカウンターを意識したポジション取りと、なのはのマークを同時にこなせという無茶振りであるからして。
ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドに守備をさせるようなものだと言えば、その破茶目茶振りがわかっていただけるであろうか?
――だが、月村すずかは己の苦境を楽しんでいた。
高町なのは、彼女は、どこまでも自分《バケモノ》についてくる!それどころか自分を置き去りにして行きかねない天才《バケモノ》だったのだ!!
彼女との1対1のせめぎ合いは、とにかく楽しかった。
ある時はなのはのカットインをスライディングで阻止し、ある時はカウンターのドリブルをなのはの背後からのスライディングで阻止され、ある時はrun with the ball《高速ドリブル》で――なのはすらも置き去りにして――敵陣まで独力突破し、豪快にシュートを放った。 ――これ
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