第五十二話 ドゥカーバンクの戦い・前編
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海中で、のた打ち回るイッカクモドキに対し『ウォーター・ジェット』を止め、反撃のスペルを詠唱した。
『大渦巻!!』
マクシミリアンの魔法によって海流が変わり、この海域では有り得ない数リーグは在ろうかという巨大な渦巻きが発生した。
余りの巨大さに遊泳していた魚達は危険を察知し我先に逃げたした。
海中を、のた打ち回っていた5匹のイッカクモドキは、その大渦巻きの中心にて圧倒的な海流に揉まれ続けた。
『&%$#!』
4匹のイッカクモドキは、大渦巻の海流でお互いの角で傷つけ合い、声にならない声を上げた。
血塗れ傷だらけのイッカクモドキ達は、大渦巻の中心で哀れミンチになってしまった。
だが、マクシミリアンにも代償はあった。
(ぐおおおぉ……頭がクラクラする)
海中に居たマクシミリアンも、大渦巻の影響を受けて、身体を揉みくちゃにされた三半規管が滅茶苦茶になったのだ。
耐えられなくなったマクシミリアンは大渦巻を止めた。暫くすれば海流は元に戻るだろう。
次に状況を知る為に『ヒーリング』で狂った三半規管を治し、次に杖を振るいソナーで索敵をした。
(……海面にベルギカ号の反応は無し。無事に浮上したようだ……ん?)
ソナーは、遥か遠方からマクシミリアンに近づく大きな魚群を探知した。
入念にぞの魚群を調べると、魚群に守られる様に隠れていた巨大な影も探知した。
(デカイ! 200メイルはあるぞ!)
暗い海の底から何か巨大なモノが、数千もの臣下を従えて、ゆっくりとマクシミリアンに近づくその姿は、王の行進と言うに相応しかった。
……北海の王が姿を現したのだ。
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