第九章
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「俺は仮面ライダーなら」
「人間としてスサノオと戦うかどうか」
「そうした話だな」
「それで君の返事はどうかな」
「スサノオもそいつが従う連中も放っておけば日本も世界も危ない」
氷室は政治に関わる者として答えた。
「そして俺にスサノオと戦う力があるならな」
「戦ってくれるんだね」
「そうさせてもらう、ならだ」
「ローグのベルトを渡すね」
「そしてだな」
「君は二人でね」
紗羽と共にというのだ。
「ナスチカというお店に行ってくれるかな」
「そうさせてもらう」
「これは全く報道出来ないけれどとんでもないお話ね」
紗羽も言ってきた。
「ならね」
「ナスチカにだな」
「一緒に行くか」
「そうしましょう」
紗羽は氷室に頷いて応えた、こうして氷室は彼の父である総理に秘かにことの次第を話し彼の理解を受けたうえで戦いに身を投じることになった。そのはじまりとしてナスチカに向かった。
猿渡一海はこの時自分の家の農園の畑を耕していた、そうしつつ自分と一緒に汗を流している赤羽と青羽そして黄羽に対して話した。
「苺作るのも楽じゃないよな」
「ですよね、繊細な野菜ですからね」
「ちょっと気を抜くとまずくなるんですよね」
「甘くなくて」
「だからな、こうしてな」
まさにとだ、猿渡は三人に笑いながら話した。
「畑を耕すことからな」
「真剣に気合入れないと駄目ですよね」
「肥料も撒いて苺に合った土地にして」
「それからも色々世話を見て」
「やらないとな、田んぼもジャガイモもビニールハウスもな」
そうした場所もというのだ。
「いつも見てな」
「そうしてちゃんとしないといけないですからね」
「農業も大変ですよ」
「何かと苦労しますね」
「ああ、けれどやりがいがある仕事だからな」
それだけにというのだ。
「頑張っていこうな」
「へい、じゃあやっていきましょう」
「皆も頑張っていますし」
「俺達も頭を一緒に汗流しますよ」
四人でこうした話をしつつ畑仕事に精を出していた、四人は農業に専念していた。だがその彼等が休憩時間に畑の傍でお茶やおやつを楽しんでいると。
そこに黒衣の青年が来た、それで彼等に声をかけて来た。
「猿渡一海さんだね」
「あれっ、俺のこと知ってるのかよ」
「それに赤羽さんに青羽さん、黄羽さんだね」
「俺達のことも知ってるのかよ」
「俺達ってそんな有名か?」
「只の農家なのにな」
「私は知っているよ、君達のことは」
青年は猿渡達に穏やかな声で話した。
「よくね」
「何かこんな田舎には合っていない人だけれどな」
猿渡は青年の外見からこう言った。
「随分顔が奇麗だな、モデルさんかよ」
「黒衣の青年と言えば感じ取るかな」
「黒衣の青年?」
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