第八章
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「とりあえずはな、次の取材の時はわからないが」
「あくまでとりあえずはなのね」
「政治はいつも動くからな」
「そうね、どうなっていくかわからないから」
「だから今回はここまでだ」
「話せることはあっても」
「オフレコだ、と言いたいが」
それでもとだ、氷室は紗羽に真面目な顔で話した。
「オフレコでもな」
「話せることはなのね」
「もう全部話した」
そうしてしまったというのだ。
「だからまただ」
「状況が変われば」
「ここに来てくれ」
「わかったわ、じゃあね」
「そういうことでな」
「あの」
氷室が紗羽に話を終えて彼女が帰るタイミングだと思い部屋の扉まで送ろうと立ち上がるとだった。
そこに彼の父のスタッフの者が来てだ、声をかけてきた。
「氷室さんにお会いしたいと」
「マスコミか、それとも官僚か」
「いえ、黒い服のえらくお顔のいい」
「黒い服か」
「はい、黒衣の青年と名乗っています」
「黒衣の青年か」
その名前を聞いてだった、氷室はまずはその目を顰めさせた。そして違和感を感じた。
ここで本来は何者だと思う、はじめて聞く名前でありかつそれは通称と言っていいものだからだ。だが。
氷室はその名前に妙に縁を感じた、それが違和感であり彼はその違和感がそう言っていると思ってスタッフに言った。
「通してくれ」
「通していいんですか」
「頼む、会いたい」
こうスタッフに言った、そしてだった。
紗羽にも顔を向けて彼女にも言った。
「一緒に黒衣の青年の話を聞くか」
「私もなの」
「オフレコの話だ、いや絶対に公に出来ない」
「そうしたお話を聞けるのね」
「そう思う、だからだ」
それ故にというのだ。
「お前も聞くか」
「そうね、言われてみればね」
紗羽にしてもだった、氷室の話を聞くと。そして彼女もまた氷室程ではないが縁を感じた。それでだった。
二人で黒衣の青年の話を聞くことにした、氷室は部屋に案内された青年と紗羽を交えて三人になって彼の話を応接用のソファーに向かい合って座ってだった。
そうして聞いてからこう言った。
「俺が仮面ライダーか」
「そう、君は仮面ライダーローグ」
そのライダーだとだ、青年はどうかという顔になっている氷室に話した。
「スサノオと戦うべきライダーの一人なんだ」
「エボルトの話も聞いたが」
「否定するかな」
「いや、何故か知らないが思い出した」
氷室は青年に真剣な顔で答えた。
「俺はあんたが話してくれた世界では確かにそんな奴でだ」
「そして最後は仮面ライダーとして戦ったんだ」
「そのうえで死んだんだったな」
「その時は」
「そうだな、その時の俺は随分嫌な奴だったみたいだな」
「そうね、今の貴方と比べてね」
氷室の横にいる
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