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明日の日記
払いたがり
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「 デートのお金は男が払うって風潮あるじゃないですか 」
「 ええ 」
「 そんな事気にしなくていいと思うんですけどね 」
「 ですね 」
「 でもまぁ、今回は払いますけど 」
「 そう言えば払えると思いましたか? 」

ふたりで夕食に来たものの、現在は伝票の取り合いになっている。
とはいえ、引っ張り合っているのではなく、テーブルの中心に置かれた伝票の所有権を巡り、相手を納得させようと言葉を探している状態だ。

「 女神様あんまりお金持ってないじゃないですか 」
「 少ないお金だからこそ、使いたいものに使いたいのです 」
「 そのお金は何か欲しいものを買うときに使って下さい 」
「 今はその伝票が欲しいです 」
「 これはお金じゃ買えません 」
「 じゃあ、無償で譲ってください 」
「 それとこれとは話は別です 」

なんでかなー
今日は、と言うか最近女神様の自己主張が激しくなった気がする。
...反抗期?

「 違います 」
「 まだ喋ってませんけど 」
「 目は口ほどにものを言うのですよ? 」
「 しまった。じゃあ目を閉じて話します 」
「 そうですね。乙女座のシャカように小宇宙を高めればいいと思いますよ 」
「 ... 」
「 ...その手はなんですか? 」

なんですかって言われても
こっちが目をつぶっている隙に伝票を取られないように、押さえてるのですが。

「 そんなに私が信用なりませんか? 」
「 むしろ信用してます 」
「 だったらなぜ 」
「 今手を離したら、すぐにお会計を済ませてくれるという信頼がありますので 」
「 それはいい事ですよね。自分のお金が減らないのですから 」
「 そうは問屋が卸さないんですよねぇ 」

実は最近、女神様が家事をいろいろと手伝ってくれている。
今までは気まぐれに来て遊んで帰るだけだったのが、最近は掃除とか片付けとか。

そんな事もあって、今日はお礼のつもりで支払いをしたかったのだが。

「 最近帰ってくるのが遅いから、仕事が忙しいのでしょう? 」
「 いいえ。いつも通りです 」
「 いつも通り忙しいと言うことですね? 」
「 月45時間までは通常業務ですよ 」
「 社畜か 」
「 こんなんで社畜って言ったら、ホンモノの社畜様に怒られますよ 」
「 もうちょっと給料のいい会社に入ればいいじゃないですか。そして残業せずに帰れば 」
「 今の会社、ストレスフリーなんです。コレは何物にも代えがたい 」
「 じゃあ早く出世して下さい 」
「 そんな無茶な 」
「 はぁ...今日は珍しくあなたから誘ってくれたので、たまにはご飯でもご馳走できればと思っているのですが...頑固ですよねぇ 」
「 親の教えです 」
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