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冬の刺激
第四章

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 麻里佳に手を取られて声をかけられた。
「弟君一緒に泳ぐ?」
「僕とですか?」
「うん、泳げるよね」
「周ちゃん実は泳ぎ結構いけるのよ」
 美優が後ろから言ってきた。
「だからね」
「普通にプール入られるのね」
「そうよ」
 美優は麻里佳に笑顔で答えた。
「ひょっとしたら麻里佳ちゃん以上かもね」
「私泳ぐこと苦手だから」 
 早紀は周大の右隣から言ってきた。
「弟君に教えてもらおうかしら」
「えっ、僕にですか」
「そうしてくれる?」
「教えるなんてとても」
「そうなの」
 ここでふとだった、プールの中で。
 周大の足と早紀の足が触れ合った、同時に美優の身体が水の中で少し動いてしまってそうしてだった。
 姉の胸が彼の背中に触れた、周大はその柔らかい感触に思わず驚いたが。
 今度は手を持っていた麻里佳が動いてしまい彼に抱き着く形になった、早紀はこけてしまい。
 顔を彼のすぐ傍までやった、早紀は彼に唇が触れる様な距離で言った。
「御免なさい」
「私も、痛かった?」
「いえ、別に」
 周大は二人に戸惑った顔で答えた。
「何も」
「そう?だといいけれど」
「波が出て急にね」
「このプール結構人いるから」
 それでとだ、美優はまだ自分の胸を弟の背中に付けたまま彼のすぐ耳元で言ってきた。三人の息が彼の顔や耳にかかっていた。
「波が出るわ」
「泳いでる人もいるし」
「それで余計にね」
「波出来るのね」
 美優は気付かないまま言うのだった。
「気をつけないとね」
「うん、じゃあね」
「気をつけていきましょう」
「周ちゃんもそうしてね」
 三人で彼を囲んで言ってきた。
「そうしてね」
「う、うん」
 三人に頬と頬が触れ合う位の距離で言われてだった、周大は心臓の鼓動がこれまでになく高まっていることを感じながら頷いた。
「そうするよ」
「それでどう遊ぶの?」
 麻里佳は周大の目をじっと見ながら彼に尋ねた。
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