第一章
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まさに目糞鼻糞
根室千佳は自分がいるクラスで友人達にこう言った。
「もう来シーズンははじまってるのよ」
「だからカープは今からっていうのよね」
「頑張らないとっていうのね」
「監督さんも代わったし」
このことについても言うのだった。
「緒方さんから佐々岡さんにね」
「新監督に期待しつつ」
「練習をして」
「それで来年こそはっていうのね」
「そう言うのね」
「そう、そしてね」
千佳は友人達にさらに話した。
「首位奪還よ」
「そう言えば」
ここで友人の一人が千佳に言ってきた。自分の席からその周りに椅子を持って座っている友人達に話した。
「シリーズでストレートに四連敗したらね」
「そのチーム次の年優勝してないわね」
「そのジンクスあったわね」
日本シリーズのこの話を千佳にした。
「そうだったわね」
「ええ、私も聞いてるわ」
千佳はそのポニーテールの友人に答えた。
「だから巨人はね」
「来年は優勝しないわね」
「ざま見ろよ」
千佳はこの言葉は無表情で出した。
「毎回毎回うちから僭主強奪して」
「フリーエージェントじゃない」
「カープにとっては災厄よ」
この制度自体がというのだ。
「うちはお金ないのよ」
「いや、それ言ったら駄目でしょ」
「本当にないから」
事実そうだからというのだ。
「言うのよ」
「何かお金の話したら」
「だってないことはね」
千佳はまだ小学生だ、しかし熱狂的な鯉女であるが故に野球のそうした事情のことも認識しているのだ。それで今言うのだ。
「事実だしね」
「それで言うのね」
「阪神とは違うのよ」
「お金はとにかくないのね」
「そのカープから何かあると選手強奪してるから」
「巨人はそこからも嫌いなのね」
「日本シリーズで負けて」
華麗なまでのストレート負けであった、ミスがそのまま失点につながり負けていく。実に巨人に相応しい負け様だった。巨人には無様な負けがよく似合う。
「胸がすっとしたわ」
「そうだったのね」
「まあ千佳ちゃん巨人嫌いだしね」
「私達も嫌いだけれど」
「千佳ちゃんは特によね」
「ちなみにお兄ちゃん私以上のアンチよ」
千佳は自分の兄である寿のことも話した。
「シリーズで負けた瞬間に大喜びで絶叫してたし」
「お兄さんも相変わらずなのね」
「やっぱり阪神ファンで」
「それで巨人が大嫌いなのね」
「そうよ、巨人が百敗すればいいとかね」
一シーズンでというのだ。
「いつも言ってるから」
「千佳ちゃんは毎年最下位だけれど」
「お兄さんは百敗なのね」
「最下位どころか」
「そこまで言うのね」
「そうよ、本当に根っからの虎キチだから」
それでというのだ。
「阪神
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