01.始まる物語
[2/2]
[9]前 最初
やけ細った身体をする。
生前の名前は“エルマ・ヴェルトーチカ”セラとは違うプロジェクトの被験体であった。
そんな彼は唯一セラとは友達だったが為にこの煉獄に巻き込まれたのである。
そんな彼はやる事を終え、後は消滅に身を委ねるだけである。
『君はこのまま消滅してもいいのかい?』
そんな彼に問い掛けるのは左耳が白い黒猫“シュレティンガー”である。
彼は全にして一なる存在。他人にして自分。
そんな彼の言葉にエルマは詰まらなそうに呟く。
「嫌に決まっているだろう?ボクはまだまだ未知なるモノを知りたいし、やりたい。もっと生きてみたいさ」
だが叶わない願い。そんな事は言われずとも理解している。
『もし………まだ生きられるとしたら君はこの手を取るかい?』
「な!?」
それは予想外な言葉。まだ生きられる?
『ただしこの荒廃した大地ではなく此処とは世界軸を違える世界だがね』
世界軸と言う意味は良く理解出来ないが、今のニルヴァーナのように荒廃した世界ではない世界に行けるようだ。
「これぞ渡りに船。って、この力はどうなるんだい?」
そう。例え違う世界に渡って命に危険のある世界なら失われた困るからだ。
『安心しなさい。その悪魔の力は君という証だからね、だけどリミッターは掛けさせて貰う』
「リミッター?」
『君が本当に力を望んだ時に外れるようにする。さて、どうする?本当に行くかい』
そんな事は聞くまでもない。
「当然だね。よろしく頼むよシュレティンガー」
エルマの伸ばした手をシュレティンガーがその小さな手で掴む。
すると二人を中心に七色の光が溢れだし、エルマの意識が薄れていく。
『それじゃエルマ。君の未来に幸せの恩寵がありますように』
[9]前 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ