第百三十二話 二手に分かれその二
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「いいな」
「承知しました」
謙二が五人を代表して応えた。
「それでは」
「そしてだ」
「おう、わし等五人じゃな」
当季が笑って言ってきた、彼と智、良太、紅葉、桜子がいる。
「豊前に向かうのは」
「宜しく頼む」
「わかったぜよ」
「総大将はお前だ」
英雄はその当季に告げた。
「いいな」
「わしでええんじゃな」
「お前なら大丈夫だ」
当季の器ならというのだ。
「だから頼む」
「最初から思ってるからか」
「お前に言う、そう思わないならだ」
当季が一方の軍の大将の器でないとみなせばというのだ。
「最初からだ」
「そういうことじゃな」
「では頼むぞ」
「わかったぜ」
「ではだ」
「ああ、わし等はわし等でじゃな」
「宜しく頼む」
当季にもこう言うのだった。
「そちらはな、そしてだ」
「わし等は豊前、豊後、そして日向とじゃな」
「大隅もだな」
この国もというのだ。
「攻めてもらう、そして俺達はな」
「はい、筑後からですね」
今度は謙二が応えた。
「肥前を攻め」
「そして肥後となる」
「その間筑後の方は」
「肥前を攻める間は筑後に兵を置いて」
そのうえでというのだ。
「肥後から来る敵は防ぐ」
「そうしますか」
「そして肥後だが」
ここで英雄は難しい顔になり言った。
「この世界にも熊本城はあるな」
「あの城は」
「堅城だな」
「九州一の」
謙二は熊本城についても答えた。
「ですから」
「あの城を攻め落とす必要がある」
「その時のこともですね」
「今から考えている、そして肥後を手に入れ」
「薩摩ですね」
「その時に琉球もな」
この国もというのだ。
「手に入れたい」
「水軍を用いて」
「そうしたい、琉球もな」
「この浮島の統一にはですね」
「欠かせない、この世界の琉球はどうか」
具体的にどういった場所かはというのだ。
「俺はよく知らないが」
「それでもですね」
「あちらもそれなりに豊かだそうだな」
「湖の産物があり、この浮島の琉球は鉱産資源が豊富な島も」
そういった島もというのだ。
「あるので」
「豊かか」
「鉄に塩、銅に金に銀と」
そういった資源がというのだ。
「多くありますので」
「そうか、ではな」
「是非ですね」
「金山や銀山はある」
既にというのだ、こうした場所は。
「特に石見のな」
「あちらの銀山ですね」
「あれが手にあるが」
「琉球も豊かな銀山があり」
こちらの浮島の琉球ではというのだ。
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