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レーヴァティン
第百三十二話 二手に分かれその一

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               第百三十二話  二手に分かれ
 英雄は朝になるとすぐに全軍に飯を食わせた、その後で仲間達を本陣に集めてそこで軍議を開いた。
 その場でだ、彼は最初に言った。
「昨日も言った通りにだ」
「兵を二つに分けますね」
「そうしてだ」
 そのうえで、というのだ。
「九州を攻めていく」
「そうしますね」
「その分け方だが」
 謙二に応えつつ話した。
「まず水軍がある」
「そちらは幸正君にですね」
「任せる、そして九州攻めの拠点筑前の抑えとして福岡城にな」
「残ってもらう人もですね」
「置く、十二人のうち十人をそれぞれ五人ずつ左右に分け」
 そうしてというのだ。
「兵も十六万の兵をな」
「どうしますか」
「二万を筑前の備え、いざという時の予備として置き」
「では十四万で」
「七万ずつだ」
 それだけの兵をというのだ。
「分けてな」
「そうしてですね」
「九州の東西を攻め」
「まずは北九州をですね」
「掌握してだ」
「南下しますね」
「そして薩摩までな」
 敵の拠点までというのだ。
「攻め入る」
「そうしますか」
「それが戦略だ、水軍はな」
「九州と本州の水路を守り」
 今度は智が言ってきた。
「そうしてでござるな」
「隙を見てな」
「九州の各地を湖から攻める」
「その動きを見せ」
 そうしてというのだ。
「敵を牽制する」
「そうしますか」
「そしてだ」
「九州攻めを続けていきますか」
「そうする、そして筑前に残るのは」
 ここでだ、英雄は。
 愛実を見てそのうえで言った。
「頼めるか」
「うちがっちゃか」
「そうだ、今回は残ってだ」
 そのうえでというのだ。
「守りを固めてもらいたい」
「うちでいいっちゃ」
「いいから声をかけている」
 後ろを任せられる、こう信じているからだというのだ。
「だからだ」
「そうっちゃか、なら」
「頼めるか」
「わかったっちゃ」
 愛実は英雄に微笑んで応えた。
「ならっちゃ」
「頼むぞ」
「そうさせてもらうっちゃ」
「そして後の十人と俺でな」
 この顔触れでというのだ。
「攻めていく」
「ではでござる」
「俺は筑後に向かう」
 英雄は今度は自分が兵を率いる方を話したそして謙二と峰夫、耕平、香織、奈央を見て五人に対して告げた。
「こちらはな」
「我々ですね」
「宜しく頼む」
 こう謙二に告げた。
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