暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第44話 掻き乱される日常
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女の1人くらいいたでしょうしねぇ」

「うぐっ」

 べ、別に彼女が出来ないのはそれだけが理由じゃ……。はぁ……、いったいいつになったら俺はこいつに告白できるのかな?

「くっ、朝食とお弁当の準備中にそんなことがあったなんて」

「うん、迂闊」

 黒歌姉と龍巳は箸を銜えつつ悔しそうにしていた。っていうかもしあの場にこの2人も突撃してきてたらさすがに俺の理性も保たなかっただろうな。まあ今日も保ってたのかというと微妙なところだが。

「あらあら、イッセーはモテモテね」

「イッセー、男ならちゃんと責任は取るんだぞ」

「ブハッ!?」

 ちょっ!? 皆の前でなんてこと言うんだ父さん!?

「あらまあ、親公認ね。頑張るのよイッセー」

「って母さんまで!? そんなんじゃねぇって!」

 ちょっとホントやめてくれよ! 皆だって顔真っ赤じゃんか! 火織だけはいつも通りニコニコしてるだけだけどさ! ちっくしょう!

 俺は火織の反応に悲しくなって目の前の朝食を掻き込んだ。すると

「あれ? この卵焼き、いつもと味が若干違うような……?」

 母さんの作る卵焼きに似てるけど、でもなんというかそれよりも優しい味というか……。

「あ、気付いたイッセー? それ、アーシアが早起きして作ったのよ」

 と黒歌姉が言ってきた。ってこれアーシアが!? そう思いアーシアの方を向くと期待と不安の混ざった表情で俺のことを見ていた。

「あの……どうですか?」

「ああ、おいしいよ。アーシアは料理がうまいんだな」

「い、いえ。これもひと月練習してようやく食卓に出せたんです」

「ひ、ひと月?」

 そ、そんなに練習してたのか? 全く気付かなかったんだが。っていうか練習してたんならそれも食べさせてくれても良かったのに。

「くっ、さすがねアーシア。もう許可が降りるなんて。私だって長年料理はしてきて自信はあったのにまだ食卓に並べられないのよ」

「私なんて未だにダメ出しばっかりよ」

「きょ、許可? ダメ出し?」

 え、部長とレイナーレが悔しそうにしてるけどこの家って料理するのに許可がいるの? 初耳なんだけど俺。

「ふふん! うちとイッセー宅の食卓に料理を出すには私の許可が必要なのよ!」

「えぇっ!?」

 許可って黒歌姉が出すの!? 確かに黒歌姉は料理が得意でほぼ毎日台所に立ってるし、今では料理研の副部長までやってるけどさ!

「皆で食べる食卓だからね! 下手なもの出させるわけにはいかないわ! 手伝いなんかは別だけど、一から料理作って食卓に並べたいなら私が認めないと! 今のところ自由に料理作っていいのは私を含めて4人だけよ! さながら料理四天王といったところかしらね
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