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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第3話:少年は魔法を手に入れ、少女は歌を歌い出す
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療スタッフは、少々おっかなびっくりながらも奏を再び手術台に乗せ中和剤を注射して彼女の体からLiNKERを除去していく。
その間、何とか立ち上がった翼は治療を受ける奏に終始怯えた目を向けていた。
***
それとほぼ同時刻、人里から遠く離れたとある山の中。天然の洞窟を利用して作られた隠れ家の様な場所に、颯人はいた。
床には複雑な文字と画で描かれた魔法陣があり、颯人はその上に佇んでいる。その魔法陣の直ぐ傍には、ウィズの姿もある。
と、徐にウィズが魔法陣に手を触れ何かを流し込むかのように力を込めた。
瞬間、魔法陣が光を放ち立ち上る紫電が颯人の体を蹂躙した。
「ぐぅっ?! あが、あああぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
体の内側を焼かれる痛みに、悲鳴を上げる颯人だが彼はその場から一歩も動かなければ倒れてのたうち回ることもしない。
膝すらつくことなく、彼はひたすら自身の身を奔る魔力の奔流に耐え続けていた。
どれほどそうしていただろうか。
数分だった気もするし、もしかしたら数秒程度かもしれない。紫電に体を焼かれていた颯人を見つめていたウィズが、唐突に魔法陣から手を離した。
直後、魔法陣から放たれていた光は収束し紫電も止み、全身を奔る激痛から解放された颯人は全身を汗で濡らしながらそれでもまだ立ち続けた。
その様子にウィズが一つ頷いて見せた。
「少しは体が魔力に順応してきたようだな。だがまだまだだ。この程度では魔法使いとしての才能を開花させる前に死ぬ可能性がある。もう一度やるぞ」
「あぁ……何度でもやってくれ。俺はどうってことねえからよ。だから…………一日でも早く奏を助けに、行けるようによ。何度でも、やってくれや」
全身を奔った激痛に脂汗を垂れ流し、目の下には隈を作りながらも彼はウィズに続きを促す。その姿はまるで幽鬼のようであったが、その目には消えることのない執念と情熱の炎が揺らめいていた。
──奏、待ってろよ。俺が絶対、お前を助けてやるからな──
彼はひたすら貪欲に力をつけることに己の全てを注いでいた。全ては、最愛の少女をいずれ訪れる悲劇から守る為。
互いに互いを想い、力を身に付けていく颯人と奏。
この二人が再会するのは、それから実に三年の月日が経ってからだった。
***
―それから3年後―
その日、住むものが誰も居ない無人島の海岸に、颯人の姿があった。彼は、特に何をするでもなく手頃な岩に腰掛け目を閉じてじっとしている。
それは何かを待っているようであった。よく見ると、彼の顔には僅かに緊張しているような様子が見て取れる。
特に何をするでもなく、
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