第39話 =私の勇者=
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、水の入った瓶のことだろう。なぜ捨てなければならないの
かがわからなかった。でも、突然体の自由が聞かなくなり、体が地面に投げ出された時点でその理由がわかった。
「…ま…麻痺…?」
その証拠に私のHPバーは普段存在しないグリーンに点滅する枠に囲まれている。キリトも私と同じく麻痺毒にかかったのかその
場に崩れ落ちている。ということは恐らくゴドフリーやクラディール、マルベリーも…と思ったが…
「クッ…クックックック」
「フッ……フフフッ」
突然、声色の違う高笑いが2つ響いた。うつ伏せになっているおかげで何とか周りを見渡せることが出来たが、私の眼に映った
のはクラディール、マルベリーがそろって私たちを見下しながら笑っているのが見えた。
…まさか…。
「「ヒャっ!ヒャハハハハハ!!!」」
もう笑いを堪えきれないのか天を仰いで哄笑している麻痺毒にかかっていない2人。恐らくこの時点で今考えたことは確定で良
いだろう。この麻痺毒入りの水を用意したのはあの2人のどちらかに決定ね…
「ゴドフリー!!早く解毒結晶を使え!!」
「させるわけないだろぉ、ゴドフリーさんよぉ!」
マルベリーがどこからか飛び移りゴドフリーの手にあった緑色の結晶を遠くへ蹴飛ばす。麻痺中は握力すら十分に入らないほど
無駄に細かい。そのせいで結晶はサッカーボールのように遠くへ飛んでいってしまった。その近くでは無理やりポーチから結晶
を取り出し自分のポーチに入れるクラディール。
「クラディール…それにマルベリー………何のつもりだ……?これも何かの…訓練なのか……?」
「バァーーーーカ!!」
まだ事態の把握できていないゴドフリーの口をクラディールのブーツが蹴り飛ばす。
一瞬、こんな人がKoBでフォアード隊隊長をしていていいの?なんて思ってしまったけれどそんなことは今はどうでもいい…
蹴られたゴドフリーのHPがわずかに減少すると同時に、クラディールのカーソルがオレンジ色に変わる。けどそんなことが今の状況になんの影響も与えるわけがない。こんな攻略完了層に都合よく通りかかるものなどいるはずないのだから。
「こんな訓練あってたまるかよぉ!…ヒャハハ!!」
「ゴドフリーさんよぉ、馬鹿だ馬鹿だと思っていたがあんたは筋金入りの筋肉脳味噌だなぁ!!」
さらにマルベリーも一回蹴りを入れてHPを少し削りそれと同時にカーソルがオレンジ色へと変色した。2人のおかしくなったような声が荒野に響く。正直耳障りだけど右手首しか動かせず、耳まで持っていけない
…右だけ動かせる?
「……お願い…気づかないで…!」
右だけ動かせることに気づいたのは正直幸運だった。小さな声でいるかもわからない神様に祈りながら小
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