第39話 =私の勇者=
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」
ゴドフリーは大きな声でそういうが同じようなテンションで答えたものはおらず、「おぉ」と私を含めた4人はやる気なんて存
在しなかったかのように答えてしまう。そのままゴドフリーがすたすたと歩いていったのが救いだったけれど。
=第55層 迷宮区前=
ここ、55層は植物がほとんど無い乾いた荒野、そしてその大部分が谷間。キリトは早く終わらせるためにさっさと行こうということを進言し、私もそれに
賛成したけれどまさかの却下。多分、リクヤ並に敏捷は捨てているのだろう…と諦めてテクテクと歩いていくことになった。
途中で何度もモンスターと鉢合わせするが狭い通路でキリトから逃げれるわけもなくどんどん斬られていき、上空にいたモンス
ターは私が投剣を投げてポリゴンにしていた。
多分私とキリトは同じ事を考えたと思う…早く終わって帰りたいと。
「よし、ここで一時休憩!」
「…一気に突破したほうがいいんじゃないかしら」
「そんなに早く行かれては見たいものも見れないのでな」
「…そう」
私はそのまま冷たく言い放つ。キリトも却下されたことに不満そうな顔をしているがこれ以上、どっちの意見も聞き入れてはも
らえないだろうと思い近くの石に座り込む。ここに来るまで一切しゃべっていないあの2人も気になるが…。
「では、食料を配布する」
「………そうよね、普通」
何の期待もせず麻で作られたような袋を開けると、中に入っていたのは水の入った瓶とNPCショップで売られている美味くもな
い…いや、不味い固焼きのパンが入っているだけだった。
いつもならリクヤかサチの作ってくれた昼食なのに…サチはともかく料理の腕で男に負けるのはどうかと思うけどこの世界では
確実にリクヤのほうが私よりも料理は上手で私たちの好きな味なので完璧に胃袋をつかまれちゃってる…これ、普通逆よね?
「…だよな」
「……どうせアスナにあーんしてもらう妄想でもしてたんじゃないの?」
「なっ!?…そ、そんなことするわけないだろ!」
明らかに驚いてる…少し面白いって思ったのは駄目かしら…それとも少しSっ気が私に入っているとか?
そのことでクスクス笑いながら水の入った瓶の栓を開け、口にする。キリトも恥ずかしそうに同じく水を口に含む。
…なにか変な味がする…こういった水に味をつけるというのは可能だ。リクヤやサチ、アスナが料理を作っている合間に時々やっているのを見たし、それを飲ませてもらったこともある。
リクヤにやり方を聞いたら「システム外スキルだ」とドヤ顔で自慢されたため一発殴った覚えもあるけど…
「…ユカ!そいつを捨て…ぐっ」
「え?……っ!…な、何よこれ…」
私はキリトに言われたことは意味がわからなかった。そいつ…多分
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