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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
第一話 復活と異世界召喚
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「まあ、今日はこれで終わりだよ。幸は部活か?」

「そうだな。若芽も千秋も部活だよ。入学以前から体験で来てたからな」

「リアルハーレムしとるなあ。羨ましい」

「拓人は彼女いるじゃん。蜂起もすぐできるだろ」

「は?拓人彼女いんの?」

「え、知らんかったのか」

「お前なあ‥‥‥」

もう用事のない人は下校していいので、俺たちはその後も軽く雑談をした。

そのうち時間がぼちぼちきたので、俺は部活に向かった。更衣室で着替えて別館にある練習場に向かう。この学校の練習場は、体操部とトランポリン部が共同で使っているらしい。聞いた話だと、卓球部やバドミントン部もここで練習する時があるらしい。

「こんちは」

「おう、今日も早いな」

「先に跳んでますね」

そう断って、トランポリンで跳び始めた。胸は問題ない。感覚も特に変わりない。俺は軽く跳び、背中から落ちたり宙返りをする。

風が気持ちいい。俺は、ただひたすらこの風を楽しむ。

「おーい、そろそろ本格的に始めるぞー」

「おいっす」

俺は跳ぶのを止めて声がした所まで行く。見れば部員が全員集まったみたいだ。

「先輩、カッコいいよね‥‥‥」

「あの孤高の狼な感じがカッコいい‥‥‥」

「ん‥‥‥顔が可愛いなあ‥‥‥」

「あんた、後輩に手を出しかねないわね‥‥‥」

ちょっと危険は会話だが、全てスルーだ。男子に睨まれてる気がするのも気のせいなのだ。気のせいったら気のせいなのである。

その後は練習を普通に行い、気がついたら帰る時間になっていた。片付けと清掃、それにストレッチをして解散だ。俺はサッサと着替えて校門前まで急ぐ。そこいるのは、ただ一人。時間的には夜なので、月明かりが彼女を幻想的に照らしている‥‥‥‥。

「あ、コウ。お疲れ様」

俺の姿を確認して、優しく微笑む彼女。

‥‥‥現在の俺の最愛である、千秋だ。入試が終わってから、俺たちはいつの間にかよりを戻し、前より一層恋人らしくなったのである。千秋の笑顔を見て、俺も軽く微笑む。

「ああ、行くか‥‥‥‥」

「あ、コウ待ってよ!」 ドーン

「わっぷ‥‥‥‥お前なあ、いきなり背中に飛びつくのは辞めろって」

「えへへ、ごめんね」

そこに、若芽も飛びついてきた。途端に始まる彼氏争奪戦である。

「ちょっと若芽?コウから離れてよ」

「嫌だよ。私だっていちゃいちゃしたいんだから。千秋こそ諦めてよ‥‥‥」

「こちらのセリフよ!」

バチバチと火花を散らす二人。俺は思わず苦笑する。聖は面白そうな顔をしている。まるで楽しんでるかのようだ。口を挟んでも黙らされそうなので、俺は虚空を見つめることにする。

(そういえば拓人
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