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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
前章2 崩壊は肉体まで
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かったのだが、小林も来ると林から聞いたので急遽予定変更、途中から俺も合流することにしたのだ。

「よお林」

「おう、来たか。お前、本当に告白すんの?」

「‥‥‥‥ああ」

「よし、俺も手伝う。なんとか二人きりにしてやるからその時に告れよ?」

「おう‥‥‥ありがとな」

俺は良い友人を持てたことを嬉しく思った。俺を肉体的にイジメていたのは主に男子だったので、人間不信に陥っていたのだが林と蜂起だけは大丈夫なのだ。数少ない友人だが、親友と呼んでも良いレベルだと思っている。

「おい、ボケッとしてないで行くぞ」

「‥‥‥ああ」

林の声で俺は動き出す。


‥‥ズボンのポケットには、聖の形見を入れて。



「あ、きたきた。二人ともこっちだよー」

小林の声が響く。手を振って手招きする様子は、昔の聖を見ているようだ。

「で、いつ告るの?」

「‥‥夜だな」

「うし、それまで二人で回ってこい」

林の行動により、俺は小林と二人で回ることになった。

「緋鷹、急いできたんだね。練習後でしょ?」

「ん?ああ、そうだな‥‥‥。まあ偶には来てみたいなと思ったんだよね」

「ふーん?そっか。あ!あれ美味しそう!」

「どれどれ‥‥ホントだ。食ってみるか」

こんな調子で食べ歩きする。幸せそうに食べる小林の顔を見て、俺は少し悶絶した。そして同時に、愛おしくも思ったのだ。俺は疑問から確信に変わった。

俺は、小林千秋のことが好きなんだ、と。

そのまま時間は流れていく。俺たちは食べ歩きと雑談をしながら、近くにあった小さい公園に来た。それまでの時間が、なんと幸せだったことか。俺はしみじみ感じていた。公園には林がいた。他の人も結構いるみたいだ。学校が同じ人もちらほら見受けられる。

俺は林とアイコンタクトする。即座に理解してくれたのか、林は周りにいた人をそれとなく誘導し始めた。出来る男である。

再び二人きりになる。俺は、意を決して問う。

「小林‥‥‥いや、千秋は好きな人とか‥‥いるの?」

「ん?そうだなー。恋愛したことがまずないからなー。そもそも好きっていう気持ちが分からないかも。恋愛感情を抱いたこともないかな」

「そ、そうか‥‥‥」

まさかのカミングアウト。さらに聞けば、付き合ったことのある人はいないそうだ。

「どうしたの?急に」

真っ直ぐに目を見つめてくる千秋。俺は思わず、口走った。

「俺は‥‥‥‥俺は、千秋に恋愛感情を抱いている‥‥‥‥‥‥かな」

「え‥‥‥‥?」

言ってしまった。ついに言ってしまった。俺はたった今、口にした言葉を頭の中で反芻する。すぐに、これはヤバいと悟った。が、後戻りはできない。俺は覚悟
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