前章2 崩壊は肉体まで
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息をつくのだった‥‥‥‥。
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「‥‥それでな‥‥‥こんなことがあってな」
俺は現在、聖の墓に来ていた。時間は夜だ。墓場だからかかなり寒い。俺はことあるごとに聖の墓を訪れ、心の内をさらけ出すのである。
「あ、そうだ‥‥‥一つ相談事があるんだ‥‥」
俺は、現在悩んでることの中でも最大のモノをさらけ出す。
「‥‥俺、小林のことが気になってる‥‥‥というか、好きになっちゃったよ。‥‥告白、してもいいのかなあ」
すると、風が吹いた。今まで寒かったのに、何故か温かくなる風。今は9月だ。夜は肌寒いのが当たり前なのだが、今この瞬間だけはとても温かい。まるで、人の温もりだ。俺はこの温もりをよく知っている。
「まさか‥‥‥聖?」
(あはは、コウ好きな人できたんだ)
「?!!」
脳内に直接聖の声が響く。
(コウ、別に悩むことじゃないよ?)
「ッ‥‥‥でも‥‥」
(コウには早く新しい恋をしてほしいの)
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
(私のことは、気にしないで)
「それ‥‥‥‥でも‥‥‥‥」
(コウが幸せなら、私も幸せ)
「!?」
(幸せな、恋をしてね)
「ッ‥‥‥‥‥‥」
(大切な人を、増やしてね‥‥‥)
ヒュォォォォォオ‥‥‥‥
今度は冷たい風が吹いてきた。さっきまでの風だ。普通の、いつもの風。肌寒さが戻る。
「なんだったんだろう‥‥‥‥」
俺は、今起きたことを思い返していた。聖は死んだはずだ。それなのに、何故、声が‥‥。
「まさか‥‥‥‥いや、それはない。聖は、俺がこの手で火葬したから‥‥‥‥」
俺は思考を巡らせる。勉強に使えよと突っ込まれるぐらいに思考をフル回転させる。しかし、それでも答えは出なかった。
「あり得る可能性は‥‥‥殆ないよな」
あるとしたら‥‥‥‥聖が幽霊で俺の側にいるということだ。
「そのまさか‥‥‥なのかな。だとしたら、嬉しいな‥‥」
思わず零れる本音。どれだけ時が経とうが、大切な人には変わりない、最愛だった人。確率はゼロに限りなく近い。だが、ほんの僅かな可能性でも聖が自分の近くにいるかもしれないと思えたことで、俺の心は少しだけ癒やされるのだった。
「俺‥‥‥伝えるよ。この気持ち‥‥‥全部」
俺は、そこにいるかもしれない聖に向かって宣言するように呟く。
(うん!頑張ってね)
「‥‥‥‥‥ああ!」
今度は確かに聴こえた聖の声に、俺は力強く答えるのだった‥‥‥。
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翌日
今日は地元の祭りらしい。俺はそのことを聞いても特に何も思わな
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