前章2 崩壊は肉体まで
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いが‥‥‥。
キーーンコーーンカーーンコーーン
「おい、次は移動だろ?急ぐぞ」
流石、林である。気が利いてとても助かる。
「ああ、行くか」
「あ、待ってよ!」
そんな金澤を置いて、俺たちは移動を開始するのだった。
夕方 練習場にて
「ハア‥‥‥まだまだあ!」
俺は現在、器械体操の練習場にいる。何をしているのかと言うと、床運動である。大会も近くそれなりに規模も大きなモノなので、俺は練習に熱が入っているのである。どのぐらいの規模かというと、東日本全域の選手が集まる大会だ。この大会で上位に入れれば全国も見えてくる。
そこに話しかけてくる女子が一人。スレンダーな体型で引き締まった体をしており、顔も良い。というか体操の女子選手はみんな顔が良いのが普通だが‥‥‥。
「今日も凄い気迫だね、コウくん」
「ん‥‥‥若芽か」
話しかけてきたのは、同い年の花咲 若芽である。彼女も同じ大会で上位を目指しており、こちらも練習に熱が入っている。
「それにしても‥‥‥なんで他の男子とは話さないんだ?」
そう、このクラブの男子と女子の間には妙に高い心の壁があるのだ。しかし俺に対してはまったくそんなことがないのである。他の男子には素っ気ないのに、自分には普通に接する‥‥‥‥どことなく嫌な予感がするのだ。
「んん?それは秘密だよ?」
「やれやれ‥‥‥いつも通りか」
軽く受け流されたので俺は軽く溜息をつくと、再びフロアパネルの上に立つ。床運動は12cm四方のフロアパネルの上で演技が実施されるのだ。
(やるか‥‥‥‥‥)
俺はフィニッシュに使う技を実施する。後方の三回ひねりだ。軽く助走をつけ、ロンダート、バク転と繋げる。そして斜め上方向に跳び上がる!そのまま体を横に回転させる!!
(一回、二回‥‥今だ!)
俺は二回ひねった時点で着地の姿勢をとる。視界が更に一回転し、着地位置が見える。
「ッ!!」
俺は少しの間息を止める。体にくる衝撃を全て受け流す‥‥‥‥。
「うし、着ピタだな」
俺はまったく動かずに着地することに成功した。この時に一歩でも動くと得点が減点されるのだ。体操は結構シビアな競技なのである。
「「「ナイスー!」」」
一緒に練習していた女子たちの声が響く。若干熱っぽい目で見ているがスルーだ。何もなかったと心に念じる。ないったらないのだ。
「やっぱり凄いね。とても綺麗だし‥‥」
「べた褒めするんじゃねえ。自分のことをやれ」
俺は照れ隠しに冷たく突っぱねる。それすらも熱っぽい目で見てくるのだからはっきり言って居心地悪い。
「はあ‥‥‥なんかどこにいても疲れるや」
俺は最近癖になりつつある溜
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