前章2 崩壊は肉体まで
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ぞ?」
「死んだお婆ちゃんに貰った」に反応してしまった。おそらく大切な人だったのだろう。それを取り上げようとする不良‥‥‥。
俺は改造エアガンを取り出した。
「おい、そこまでにしとけよ」
「あ?なんだあ、クソガキ。もう一度言ってみろ」
「やめろ、と言ったんだよ社会のはみ出し者」
「ほう‥‥‥口は達者だな。だがお前ぐらいのガキにかできるとでも?」
「お前らのようなどチンピラとは鍛え方が違うんだよ。バカにしていると骨の二、三本持ってくぞ?」
「ふん、そんなに言うのなら‥‥‥殺れ」
その言葉で何人かが襲いかかってくる。俺はエアガンを構える。
ドパンッドパンッドパンッ!!
三連射する。弾丸は狙い狂わず不良の肩を撃ち砕いた。
「アグァ!?」
「ゲッ!?」
「ギャアッ!?」
ガンスピンをして余裕を見せる。
「チッ‥‥‥‥汚えぞこの野郎!」
「あっそ」
ドパンッ!!
ノールックパスの要領でもう一人を片付ける。
「まああんたは素手でもいいや。来なよ」
人差し指をクイクイッとやる。明らかな挑発にブチ切れる不良。
「死ねえええええ!」
逆上した人の相手をするのはとても簡単だ。直線的な動きしかしない。例に漏れず不良もストレートパンチを繰り出してきた。それもおそらく利き手ではない左の。俺はそれを見て右のパンチを用意する。
「どりゃああああ!」
最後の一歩を踏み出した瞬間に俺もパンチの体制を取った。
「セイッ!」
ドガア!!
不良の左頬にパンチがめり込む。不良の腕は俺の右頬から数センチ離れたところだ。俺は、クロスカウンターを決めたのである。不良は思いっきり勢いをつけてきたので、威力は何倍にもなるはずだ。勢いのある物体を突然停止させたら、物体に大きな力がかかる原理と同じだ。全速力で走っていたら突然止められたと思って貰えればいい。
ドサア‥‥‥‥
不良が倒れた。これで全滅だ。
「さて‥‥‥と、大丈夫かな?」
俺は襲われていた女の子の状態を目で見て確かめる。外傷は特になく、顔が青褪めている以外は健康そのものだ。
「おーい?大丈夫かー?おーい」
なんかボーッとしてるので頬をペチペチと叩く。
「ふぁ?!だ、大丈夫でですよ!む、むむしろカッコよかったというか‥‥‥」
「そうか、良かった」
なんか凄いことを言っていたがスルーした。いちいち気にしている程の時間がないのである。
「それじゃあ俺は行くから。気をつけてな」
そう言って立ち去る。
「あ、ありがとうございました!」
少女の声を背に、俺は練習場へと急ぐのだった‥‥‥。
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