前章2 崩壊は肉体まで
[20/20]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
が起きた。
「すげえええ!」
「最高だー!」
「かっこいい!」
俺は苦笑しながら、観客に向かって手を振ろうとした。
‥‥‥‥振ろうとしたのだ。
全身から力が抜ける。視界はグラつく。
「ガハッ!?」
フロアパネルの上に俺は何かを吐き出した。目の前にあるのは、紅い、紅いナニカ。
口の中は、鉄の味で溢れている。鉄をそのまま食べたような感覚だ。
そのまま、前のめりに倒れた。会場が騒然とする。俺の周りに人だかりができた。さらに仰向けにさせられる。周りの人が何か言っているが、聴き取れない。
俺は薄っすらとしか見えない目で、何かを捉えた。セミロングの髪型、スレンダーなボディ。そして‥‥‥‥優しい瞳。
「ひじ‥‥‥‥‥り?」
俺は、聖のように見えたナニカに、手を伸ばした。
伸ばして
伸ばして
伸ばして
あと少しで触れられそうなところで
俺の意識は
完全に途絶えたのだった
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ