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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
前章 復讐鬼
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三日月のように口が裂けた笑みを浮かべた。そのまま、昔通っていた護身術の道場へ行く。

「うお?!幸じゃねえか!元気か?その腕はどうしたんだ?」

師匠が出迎えてくれた。

「ああ、ちょっとゴタゴタがあってな。それよりちょっと手伝ってくれ」

「おう、なんだ?」

「確実に気絶させられる技を教えてくれ」

「ほう‥‥‥?珍しいじゃねえか。昔はあんなに戦うのが嫌いだったじゃねえかよ」

「‥‥戦わなくちゃいけない理由があるんだ。教えてくれ」

「‥‥‥‥ふん、すっかり漢の目になったな。よし、それなら教えてやる。ついてこい」

「恩に切るぜ、師匠」

「すっかり変わりやがったな‥‥‥何かを失ったみたいだ」

「それを聞いてくれるなよ。で、何を教えてくれるんだい?」

「ああ、お前は投げ技が得意だったからな。それを上手く使おうと思う。まあその腕だからある程度制限はあると思うが‥‥‥」

「投げ技か。そいつは楽しみだ」

「お前、大外刈りと背負投は極めていたよな。昔は怪我しないように気遣ってたが‥‥‥」

「それなら任せてくれ。誰か相手してくれるかい?」

そんなわけで適当に門下生を捕まえて模擬戦をやる。

「お、おい。片手使えないんじゃ‥‥‥」

「いいから来い。早くしろ」

「ッ‥‥どうなっても知らないからな!」

飛びかかる門下生。俺はそれを右腕だけで受け流す。一瞬隙ができたのを見逃さない。

「セイッ!」

大外刈りをかけた。本来なら相手の腕は持ちっぱなしなのだが、俺は手を離す。

一瞬だけ宙に浮きドタマから落ちる門下生。一応マットの上なので死にはしない。気絶はしているが。

「ほお‥‥‥。戸惑いなくやれるのか。その分なら背負投もできるな」

「ああ、こんな感じだろ?」

俺は近くにいた門下生を投げ飛ばす。思いっきり吹き飛んでマットの上に落ちた。ちなみに片手である。

「やるじゃねえか。それならこの技をだな‥‥‥」

その後も師匠から様々な技を一週間かけて教えてもらった。とても有意義な時間だったと思う。

「ま、何があったかは知らんが、頑張れよ?」

「ああ、ありがとう」

朝早く道場に来て、最後の手合わせをして師匠は送り出してくれた。俺はそのまま学校に向かう。




復讐のために。


久しぶりに登校した学校は何も変わっていなかった。が、他の人が小さく見える。俺はとりあえず威圧感たっぷりで登校したのだ。師匠に威圧感出す方法を教えてもらったので常時発動させているのである。

「さて‥‥‥‥行くか」

俺は自分で持ってきた上履きを履き、教室に入った。クラスメイトから驚いた声が挙がる。それは、俺が姿を現したからなのか
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