前章 復讐鬼
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だろう。その現実をなんとか受け入れようと、しかし出来ずに実は生きてたり‥‥‥‥なんて思ったりした。そのうちに病院に着いた。そのまま診察室に通され、レントゲン写真を撮られた。どうやら骨が外れただけですぐに戻してくれたのでそこまでの問題はないらしい。ただししばらくは痛むぞ、と言われた。
腕に包帯を巻かれて診察室から出ると、お父さんとお母さんがいた。
「「幸!」」
そう言って抱き締めてきた。
「お父さん、お母さん、それどころじゃないんだ。聖が‥‥‥‥」
「ああ、聞いたぞ。すぐに行こう」
急いで聖のいるとされる病室まで行く。看護師の人に事情を話して通してもらう。そこには‥‥‥。
身体のあちこちに包帯を巻いた聖がいた。顔は無事だったらしい。とくに外傷はない。聖は辛うじて生きているらしい。が、とても苦しそうだ。
「あ、聖のお母さん‥‥‥」
部屋には聖のお母さんがいた。茫然自失しているらしい。
「ケホッ‥‥‥‥ケホッ‥‥‥‥‥こ、う」
「?!聖!」
聖が名前を呼んだ。目を少しだけ開いている。思わず叫ぶ。
「ご‥‥‥め‥‥‥ケホッケホッ‥‥‥‥ん‥‥ね‥‥‥‥」
「そんな‥‥‥なんで謝るんだよ!」
「い‥‥‥‥き‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥て‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
「ああ‥‥‥生きる‥‥‥生きるから聖も!」
「‥‥‥‥だ‥‥‥‥‥‥‥‥‥い‥‥‥‥‥‥す‥‥‥‥‥‥‥‥‥き‥‥‥‥」
ガクッ
ピーーーーーーーーーーーーーーーー
聖の心臓が止まった。
「?!心音消失!」
「脳波もです!」
「蘇生急げ!」
辺りが騒がしくなる。
看護師と医師の奮闘虚しく、聖は永遠の旅に出た。
享年 11
「幸‥‥‥‥くん‥‥‥」
「聖のお母さん‥‥‥」
「ありがとう、最期に来てくれて‥‥‥‥」
「いえ、それよりすみませんでした‥‥‥止められなかった‥‥‥‥」
「なんで謝るの‥‥‥幸くんは悪くないわ‥‥‥」
「ッ‥‥‥でも‥‥‥‥それでも‥‥‥‥!」
「‥‥‥幸くん、お願いがあるの」
「‥‥‥‥‥‥はい」
「聖の最期の願い。強く生きて‥‥‥‥」
「強く‥‥‥生きる‥‥‥‥」
「あの娘の分も‥‥‥‥私たちの分も‥‥‥‥」
「ちょっ‥‥‥何言ってるんですか?!」
「‥‥‥いえ、何でもないわ‥‥‥‥忘れて」
ものすごく嫌な予感がしたが、なんとかやり過ごしたのだった‥‥‥。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日。僕は学校に一週間休む届けを出したので、聖の部屋に行く。なんとなく、嫌な予感がしたからだ。
ピンポーン
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