前章 復讐鬼
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ッ!
教室に殴打音が響く。
「グハッ!ぐっ、もうやめーー」
その言葉が最後まで紡がれることはなかった。顔面に深々と拳がめり込んだからだ。
「くそっ!誰か止めろ!」
数人がこちらに向かってくる。俺は椅子を持つ。そして一振り。数人はその場に倒れた。椅子を離す。ガシャンという音だけがやけに響く。教室のあちらこちらにあるのは血とクズ切れのように横たわるクラスメイトのみ。残るは‥‥‥‥一人。
俺はただ、ひたすらに一つのことを思う。そして再び口にする。
「死ね」
と。
「て、てめええええええ!!」
そう叫んで襲いかかってくる上林。
「てめえがいなければ!雲月は俺のものになってたんだあああ!なのに!てめえのせいで雲月は俺のことを嫌った!てめえのせいで!だから殺したんだよおおおおお!!!」
表れる本性。殴りながら叫ぶ上林。
「てめえみたいなクズがなんで雲月と付き合っているんだよ!俺よりも劣っているてめえが!なんで!なんでなんだよおおお!!!」
「フフフ‥‥‥‥ハハハ‥‥‥‥」
徐々に笑いがこみ上げてくる。可笑しくて堪らないのだ。こいつの憐れさが。
「アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
ついに堪えきれずに大笑いしてしまう。久しぶりに心から笑った。否、嘲笑った。人の不幸を見て。
「ハハハハ!!俺がお前より劣っている、か。アッハハハハハハハ!思い違いにもほどがあるわ!アッハハハハ!」
笑いながら嘲る。上林の顔に青筋が量産されていく。
「フフフフ‥‥‥以前あいつがお前のことをなんて思ってか教えてやろうか?あいつはお前のことを『人以下の猿、いや猿が可愛そうだね。』と言ってたんだぜ?笑えてくるわ!アッハハハハハハハ!!そこでただ見ている女どものこともなあ?『あんなの人じゃない』と気持ち悪がっていたんだよ!さて、劣っているのはどっちかなあ?アッハハハハハハハハハハハハハ!!!」
「てめええええええええええええ!!」
上林の拳は加速する。しかしそれを俺は全て片手で捌く。
「なあどんな気持ちだ?自分は全力なのに相手は片手で、しかも余裕で捌かれてさ!なあどんな気持ちだ?自分が劣っているとバカにしていたヤツに本当は自分の方が劣っていると言われたのはよお!」
俺は捌くのをやめて攻めに入る。上林の顔面に深々と蹴りが刺さる。
「グハア!?」
俺は笑うのをやめた。無表情に戻る。例えるなら今まで吹き荒れていた嵐が
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