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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第2話:希望との別れ、魔法との出会い
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姿だ」
戦う奏の姿を呆然と眺めていた颯人だが、仮面の男の言葉で自身が感じた予想が事実であると証明された。
彼女はあの後、戦う事を選んだのだ。自身の家族を奪ったノイズと。
ならば尚の事、戻って彼女を支えなければならない。例え共に戦う事が出来なかったとしても、心を支える位はしてやりたい。いや、しなければならないのだ。
だが次の瞬間、仮面の男に告げられた言葉は、颯人の心に絶望を刻むものであった。
「先に述べておく。この三年後の戦いで、天羽 奏は死ぬ事になる」
「──────────えっ?」
彼の言葉を否定するよりも前に、投影された光景の中で変化が起きる。
傷付いた一人の少女の前で、奏が手にした槍を掲げ歌を口ずさむ。どこか悲し気なメロディのその曲の歌を、歌い終えた彼女の口からは一筋の血が零れ落ちた。
瞬間、彼女の周囲の蔓延るノイズが一掃される。戦いの場であった何処かの会場は一瞬で静けさを取り戻し、そこには奏と似たような恰好をした少女と、奏と1人の少女が地面に倒れ伏しているだけであった。
奏と違い青いボディースーツを身に纏った少女が奏を抱き上げる。だが素人目に見ても分かる死相を浮かべた奏は、青い少女の腕の中でその身を塵にして消えていった。
一頻りその光景が終わると、唐突にその景色が消え去る。後に残るのは、岩壁の壁面のみ。
驚愕に愕然としたままの颯人、その彼に目の前の男が話しかける。
「今見せたのは、まだ確定していない未来の光景だ。だが、このまま時が経てば確実に現実となる」
今し方見た光景に愕然としていた颯人は、仮面の男の言葉に体に走る痛みも無視して弾かれるように立ち上がると彼に掴みかかった。
「そんな、嘘だろッ!? 質の悪い冗談だろッ!? そうだって言えよッ!?」
「事実だ。今お前が見たものは未来の光景、このままだと確実に現実になる」
仮面の男の言葉に颯人は糸が切れたかのようにその場に座り込む。耳を澄ませば啜り泣く声が聞こえた。
このままだと、最愛の少女の命が確実に失われる。それをどうする事も出来ない自分の無力さに、情けなくて悔しくて、涙を流すことしかできなかった。
そんな彼に、男はだが、と口にし手を差し伸べた。
「それは何もしなければ、の話だ。今後のお前の行動によっては、その未来を変えられる可能性がある」
「ほ、本当か? 本当に、助けられるのか?」
「飽く迄も、可能性の話だ。助けられない可能性はあるし、それ以前にお前自身に命の危険が伴う。だが何もしなければ今見た光景が現実になるだけだ。さぁ、どうする?」
男はそう問い掛けるが、颯人の答えは決まっていた。
「…………あいつは、奏は俺の最後の希望だ。あいつを守る為な
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