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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第2話:希望との別れ、魔法との出会い
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」
颯人は蹲ろうとする奏を無理やり立たせ、遺跡の外へ連れ出そうとする。当然ノイズは2人の後を追いかけてくる。
この時、既に奏からは生きる意志が無くなりつつあった。
目の前で両親が死に、妹は自分の所為で死んだ。その事実を受け入れることができず、奏は何度も足を止めた。
それでも何とか逃げることができているのは、途中から颯人が火事場の馬鹿力で奏を抱きかかえて走っているからだ。
走りながら、颯人は奏をちらりと見る。恐怖と絶望に染まった彼女の表情を見て、颯人は必死に走りながら声をかけた。
「諦めるな奏ッ!! お前は生きなきゃならないんだッ! それがお前の親父さんとお袋さん、妹ちゃんの為なんだッ!!」
「なんで…………そんな事……」
「お前がお前の家族にとっての、そして……俺にとっての希望なんだッ!! 生きた証なんだッ!! そのお前が、こんなところで生きることを諦めるなッ!!」
絶望を切り開かんとする颯人の言葉。嘗ては奏の言葉が颯人の心を覆いつくそうとした殻を言葉の刃で切り裂いたが、今度は颯人の言葉が奏の心の殻を切り開く。
「今のお前に希望が無いってんなら、俺を希望にしろ!! 俺がお前の最後の希望になってやるッ!! だからッ!!」
逃げながら必死に奏を勇気づけようとする颯人だったが、それでも彼は所詮ただの14歳の少年だ。同い年の少女1人を抱きかかえて走り続けるには限界がある。
遂に崩れて地面に落ちた遺跡の壁面に足を取られ、颯人はその場に転んで倒れてしまう。その際に、奏も投げ出されてしまった。
「うわっ?!」
「あうっ?!」
とうとうノイズに追いつかれてしまった2人。まず真っ先に標的にされたのは奏だ。迫るノイズが、奏に襲い掛かろうとした。
目前に迫るノイズに、奏は目を見開く。結局逃れられぬ運命に、奏の目から一筋の涙が流れ落ちる。
自身にとっての最後の希望である奏の危機、それを目の前にして、颯人は脇目も振らず走り出す。
「止めろぉぉぉぉぉっ!?」
「颯人ッ!? 駄目だッ!?」
奏に襲い掛かろうとするノイズの前に飛び出し、その身を盾に奏を守ろうとする颯人。彼を止めようと奏は倒れながらも手を伸ばすが、それが届くことはなく──────
「がっ?!」
「颯人ッ!? ああぁぁぁぁぁっ!?」
ノイズによって颯人が殴り飛ばされた。触れた人間を例外なく炭素に変え分解するノイズの攻撃を受け、彼も炭素の塵になり果てる。その光景を思い浮かべ、絶望の表情を浮かべる奏。
だが…………彼の体に変化は訪れなかった。
「……え?」
颯人の体は炭素に分解されることはなく、そのまま壁に叩き付けられる。本来ならあり得ない筈のその光景に、奏は呆けた声を上
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