第三章
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「あれだよ、男湯も女湯も見られる」
「ああした番台か」
「あそこで手伝いで入ったんだよ、そうしたらな」
「おばさんや婆さんの裸見たりか」
「ムダ毛とかの処理とかあけっぴろげな話とかな」
渡辺は工藤に再び話した。
「傷とかな」
「そういうのも見てきたんだな」
「中には刺青入れてる人だっているぜ」
「男だとヤクザ屋さんだな」
工藤はこの温泉街のどの湯の入り口にも貼られている貼り紙に書かれている言葉を思い出した、刺青のある人お断りとだ。
「そうした人もいるな」
「昔のヤクザ屋さんみたいなのは減ったけれどな」
「タトゥーか」
「あれ入れてる人はいるからな」
「そうした人はお断りじゃないんだな」
「親戚の店はな、それでな」
渡辺は工藤のその話をさらにした。
「俺そういうの見たからな」
「今も言うんだな」
「女湯は覗くものじゃないさ、それで仕事で見る時もな」
番台に座ってというのだ。
「その時もな」
「覚悟して見た方がいいか」
「その人の秘密とかも見たりするからな」
「他言無用のか」
「DVの後とか引くぞ」
渡辺は具体的な例を出した、それもかなりきついものを。
「本当にな」
「そう言われるとな」
「そうだよ、だからな」
「見るものじゃないか」
「ああ、興味本位とかスケベ心でな」
「そうだな、男湯にいるとわかるな」
「その辺りのおばさんや婆さんの胸や股間見てもな」
今度はスケベ心の結果がもたらす話だった。
「仕方ないしな」
「ああ、じゃあもう二度と思わないな」
「風呂で女の子の裸見たいなら好きな娘限定にしておけ」
「よくわかったぜ、じゃあ次は何処に入る?」
工藤は充分あったまったむしろ熱くなってきたので渡辺に問うた。
「それで」
「何かとびきり熱いっていう湯あったな、そこにな」
「次は入るか」
「どれだけ熱いか確かめないか」
「実際に中に入ってか」
「そうするか」
工藤は渡辺の提案に頷いた、そうしてだった。
二人で一旦湯を出た、そうしてから身体を拭いてトランクスを穿いたがここである爺さんの白ブリーフ姿を見て言った。
「下着もそれぞれだしな」
「変な下着姿も見たくないだろ」
「そうだな」
「ああ、ときたま婆さんのティーバックとかもあるぞ」
「若い人ならともかくな」
「婆さんのそれは見たくないだろ」
「ああ、絶対にな」
工藤は強い顔で頷いた。
「俺達の年代でもとんでも下着の娘とかいるかもな」
「いるぜ、中学生の娘が成人漫画みたいな殆ど隠していない下着とかな」
「それは嫌だな」
「そういうのもあるからな」
「本当に女湯は覗くものじゃないな」
「着替えだってそうなんだよ」
そこは楽園なぞではないというのだ、創作の世界で言われる様な
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