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まさに傲慢
第八章

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 さらに検証が進められ大貝と菅沼の自作自演がほぼ確実ということになりネットでは浅墓への批判の大合唱が起こり浅墓新聞の東京と大阪の本社だけでなく地方の支局ひいては系列のテレビ局にも抗議の手紙や電話が殺到し。
 新聞や系列の雑誌、テレビ局の各番組に広告を出している企業にも抗議がいき浅墓はグループ単位で窮地に陥った。
 そして遂にだった。
 大貝と菅沼の工作を公表して謝罪せざるを得なくなり二人は懲戒免職となった、そして新聞の発行部数もテレビの視聴率も広告の数も暴落し。
 大きく力を失った、箸本はその状況を見て述べた。
「自業自得だね」
「そりゃマスコミが嘘吐いたらいけないですね」
「捏造記事なんて書いたら」
「そりゃこうなりますよ」
「普通は」
「今までがおかしかったんですね」
「嘘が通用していたのが」
 党員達も代表に応えて述べた。
「異常だっただけで」
「普通こうなりますね」
「今はネットがありますし」
「余計にこうなりますね」
「腐った権力は潰れるものだよ」
 箸本は党員達に軽く笑って話した。
「屋台骨が腐ったらね」
「どんな家も潰れますしね」
「実際にこうなりますね」
「それで浅墓もですね」
「今みたいなことになるんですね」
「そうだよ、しかしね」 
 箸本はこうも言った。
「俺を誰だと思ってるとか言ってた人が」
「懲戒免職ですからね」
「まさに栄枯盛衰ですね」
「平家物語より凄いですね」
「自業自得とはいえ」
「いや、マスコミ様だからって威張っていたら」
 箸本はさらに言った。
「もうどうなるかわからない」
「世の中ってそうした一面もありますね」
「そうですね」
「いい教訓になりましたね」
「私等も気をつけないといけないですね」
「そうだね」
 実際にとだ、箸本は頷いた。そうしてだった。
 彼は後日大貝が懲戒免職の後酒浸りになり真夜中に泥酔して酔って落ちて溺れ死んで無残な水死体となって発見されたことを聞いた、菅沼は縁切りをされた愛人に未練がましく付き纏い真冬に全裸になって襲い掛かろうとしたところを愛人の知人に通報されて逮捕され真冬に全裸になったことから肺炎になりさらに肺腫になり苦しみ抜いて死に植邨は結託していたヤクザ者に金のことで揉めて行方がわからなくなったことも聞いた。彼はその話を全て聞いても全ては因果応報自業自得だと思った。腐敗しきった者達の末路だと。


まさに傲慢   完


                2019・7・16
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