第五章
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「実際に大学は東大だったぞ」
「法学部だったんだな」
「それを自分で言うんだな」
「学歴厨なんだな」
「それで取材の態度は」
箸本が言ったそれの話にもなった。
「実際にかなり酷いみたいだな」
「本当に俺を誰だと思ってるんだって言ってるんだな」
「浅墓の大貝だとか」
「滅茶苦茶書くぞとか恫喝してるんだな」
「リアルでヤクザだろ」
「東大出ててもヤクザはヤクザだろ」
「しかもな」
報道姿勢が酷いだけでなく、というのだ。
「捏造記事も多いんだよ、こいつ」
「浅墓っていうと捏造だけれどな」
「捏造の常習犯だけれどな」
「大貝は特に酷いんだな」
「そんな奴か」
「北朝鮮とか過激派にべったりでな」
そうした記事を書いてきたことも調べられた。
「しょっちゅう北朝鮮にも行ってるらしいな」
「へえ、あの国にな」
「まさに浅墓の記者だな」
「あそこの新聞元々北朝鮮大好きだしな」
「それでなんだな」
「それでしょっちゅう料亭とか高級レストラン行ってるみたいだな」
このことも調べられた。
「随分とな」
「おいおい、庶民じゃないのかよ」
「浅墓っていうと庶民だろ」
「庶民の為の政治っていつも言ってるだろ」
「それで自分達はいいのかよ」
「料亭政治とか批判してるだろ」
「他人は駄目で自分はいいのかよ」
このことも指摘されるのだった。
「典型的な浅墓だな」
「ミスター浅墓だな」
「あそこの記者らしいな」
「本当にそうだな」
こうしてネット上で大貝がどういった輩かが知れ渡った、それでだった。
大貝の記事は常にチェックされる様になりテレビに出た時の発言もそうされる様になった、それと共に。
大貝はお断りの政党や企業、団体が増えた。しかも。
彼の部下の菅沼もだ、ある日だった。
「俺も最近叩かれてるんですよ」
「ああ、お前あれだったな」
大貝は菅沼と会員制の高級バーの中で話していた、そこで最高級のスコッチを飲みながら話をしているのだ。
「愛人がいてな」
「それがばれて」
「何かバナナとかな」
「愛人が週刊文章にチクって」
それでというのだ。
「それでなんですよ」
「それでだな」
「参りました」
こう彼に言うのだった。
「本当に」
「俺も最近な」
大貝も言うのだった。
「昔のことがな」
「何かとですね」
「言われてな」
それでというのだ。
「困ってるんだ」
「先輩最近滅茶苦茶叩かれてますね」
「ネットとでな」
大貝もわかっているという返事だった。
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