第3話 遭遇と怒りと首チョンパと
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ドサッと音を立てて、下衆は尻もちをつく。顔面は蒼白、そのままずりずりと下がり始める。
「まぁ、あなたの事情なんか関係ないのだけれどね。彼女の受けた苦痛、私の受けた苦痛、その代価は払ってもらうわ」
「うわああああああああ!」
ザシュッ!ザシュッ!
私の言葉に、ついに恐怖が決壊した男は、そのまま四つん這いで逃げようとする。
私が瞬動で前に回り込むと、そのまま両手を斬り落とし、蹴り上げ仰向けにする。
「ぎゃぁああああああああ!腕がああああああ!」
「うるさい」
そのまま顔を踏みつけ、無理矢理黙らせる。
「私の質問に正直に答えなければ殺す。余計な事を話しても殺す。質問を終えたら・・・まぁ『助けて』あげる。OK?」
踏みつけ話す私の言葉に、下衆はコクコク必死に頷く。
もう大丈夫かと、足を外して質問を始める。
「最初の質問。あなたは魔法使いね。どうして『旧世界』の、こんな所に?」
「見聞を広めるために旅をしていた。その途中に今回の件に遭遇したんだ」
「どうやって彼女が吸血鬼だと知ったの?」
「1週間前、ちょうど私は問題の起こった城のすぐ近くの町に泊まっていた。そこで夜に突如強大な魔力が溢れ出すのを感じた。念のため朝まで待って町の人間と共に城に向かうと、そいつ1人を残して全員死んでいた。人間の子供が起こすには規模が大きすぎた。魔力の残滓も残っていたから吸血鬼だと思ったんだ!」
「たまたま居合わせ、相手が悪である吸血鬼だから殺そうと?」
「そうだ!・・・吸血鬼は殺す、普通の事だろ?なぁ、もう話す事は何もないよ!頼む!助けてくれ!」
「ふ〜ん。まぁ、もう聞くことはないわね。いいわよ」
「ほ、本当か!」
「えぇ・・・苦しみから『助けて』あげる」
「・・・?」
「彼女が逃げたのは助かりたかったから。その彼女をあなたは助けようとしたかしら?」
「・・・!ま、まってくれ!」
「正義だ悪だと言葉を振りかざして、一方的に彼女を殺そうとした人間が命という意味で助けを乞えると思う?」
「お、お願いだ!」
「私の大好きな言葉にこんなのがあるわ。『殺していいのは、殺される覚悟のある奴だけだ』」
まぁ、言葉は少し違うけど意味は同じだからいいでしょう。
彼の物語はかなり好きだったから覚えている。
私みたいなチートバグキャラが言っても説得力は薄いけれど。
それでも私の覚悟から考えると、殺される覚悟くらいは当然持っている。
好きなように生きる、そのための障害を排除する、というのは往々にして反感を生むわね。中には恨まれる事態になるかもしれない。
その結果撃たれるかも、殺されるかもしれない。まぁ、ただで殺されるつもりは
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