第3話 遭遇と怒りと首チョンパと
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3柱を撃っていながら、最初の始動キーだったかしら?あれが初心者用のやつなのはどういうことかしら。
単発じゃないってことは一応学んではいるのだろうけど。
原作の基準、どうだったかしらね。3桁行ったらかなりのものだった気がするけど。
並の魔法使いは2桁くらいかしら。
などとのんびり考えていられるのも、気のお蔭。
反応速度や体感時間も向上しているおかげでこんな状況でも冷静に思考できる。
実際、ただ避けるなら寝ていても出来るくらい余裕。
というか装備の自動防御魔法たちで十分。マントの分すら越えることはできないだろう。
でもこの後の色々な説明を考えると、ここで彼女に私の人外っぷりを見せておく方が早いかもしれない。
また傷つけるかな?・・・そんな自分に苦笑と若干の怒りを覚える。
そんな感情を抱えながら、私は魔力を装備に流して、マントとローブの自動防御を切る。
そうして・・・・・・飛来する氷の矢を正面から受けた。
「え?・・・・・・・・・・い・・・・・・いやーーーーー!!!!!!!」
あぁ・・・また悲しませてしまったわね・・・つくづく情けない。
「ははははははっ!正義の使者たる私の邪魔をするからこうなるのだ!」
見事命中させた下衆が何か騒いでる。
しかし気付かないのだろうか、ある異変に。
「ははははは・・・はは・は・ん?」
あぁ、ようやくお気づき?まったく鈍いわね。
私は構わず後ろを振り返る。
「大丈夫よ・・・ごめんね」
そうして、驚愕に固まる彼女に微笑み、驚かせたことを謝る。
それにしても、つくづく度し難いと自分でも思うが、彼女が悲鳴を上げてくれたことに嬉しいと思う自分がいる。
たとえ警戒していようと、自分を守ってくれた人間が傷付くのに反応して悲鳴を上げる。
そんな彼女の優しさが嬉しい。
そんなことを考えながら、目の前の下衆に意識を向ける。
口をパクパクさせて、言葉も無いようだ。
それもそうだろう。
なぜなら今の私は、胸と腹部、右太ももの3か所を氷の矢が貫通しているのだから。
ぶっちゃけ、痛い。でもまぁ、100年の特訓で痛みにも慣れた。
普通なら即死の状況で、さらに見せつける。
あいた左手で氷の矢を掴むと、3本ともぽんぽん抜いてしまう。
開いた穴から血が吹き出るが、それもすぐに止まる。
2人の目の前で傷が瞬く間に塞がる。
後ろの彼女の反応はわからないが、下衆はがくがく震えだした。
「彼女が吸血鬼だから、人ならざる存在だから殺すと言うのなら・・・私も殺さなければならないわよね?」
あえてクスクス笑いながら話しかける。
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