二十五人目
BLACK CLOUDS
九話
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二週間…
息子は城にいた。
もう誰もいない城にな。
ちびの時に親父がくれた、センチネルを抱えて龍を待つ。
盾にもなるこの剣は、息子が少しでも怪我をしないようにの…
昔、父が王からもらった剣を、あえて息子にやった物なんじゃ。
時を待つ息子にの。
少々の傷なら…
邪龍は必ず、全殺しに還って来る。
そう教えたのは、わしじゃ。
その通り…
黒い曇り空を引き連れ、龍は還って来た。
息子は親父の教えを全て出し…
正に、圧巻とも言える最期を遂げる。
じいさん…
教えてくれてありがとうな…
角を全て折り…
翼を全て破り…
眼を一つ潰し…
兵達の熔けた鎧を、一つでも多く胸からえぐり出した。
見事、人間のやれる全てをやったんじゃよ。
じいさん!
後は任せたぜ?
後世の者に伝えろ!
シュレイドの漢達の…
あいつらの話をよお!!
最期は黒龍の爪に掻き千切られ…
引き裂かれての…
それでもセンチネルを足に突き刺し…
また此処に来い…
ゴフッ…
俺が生まれ変わったら…次は必ず…
殺してやる…
ブシュウウウウゥ…
シュレイドから全ての勇者が消えた、あの日。
わしには…
忘れられない日じゃ…
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