第7章:神界大戦
第225話「もう一度会いたい」
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
して私の所に?正直、今更何かの役に立てるとは思えないのだけど……」
「……単刀直入に言います」
深呼吸し、一泊置いてから、緋雪は忍の目を見据えて発言する。
「……夜の一族として供給している血。私にも分けてくれませんか?」
「ッ……!」
その言葉に、忍の表情が僅かに強張る。
別に緋雪が知っているのは何もおかしくない。とっくに知っている事だからだ。
だが、今までそういった事を気にせずに接してきていた。
その上で突然こんな提案をされれば、困惑するのは当然だ。
「……なんの目的で?」
「このままではいけないからです。私は、まだ全ての力を開放していない。……いえ、“志導緋雪”としての力は開放していても、根幹にある力はまだ残ってます。……その力を開放するために、血が必要なのです」
忍の目が鋭くなる。
夜の一族として、どうするべきか見極めているのだ。
「……そういえば、緋雪ちゃんは吸血鬼に近い体質だったわね。……そう、なるほどね。だから“血”なのね」
「そういうことです。例え、制御しきれないとしても、リスクの方が大きいとしても、私はこのままではいけない。だから……だから、お願いします……!」
「………」
頼み込む緋雪に、忍はしばし無言で考え込む。
「……緋雪ちゃん」
少しして、忍は口を開く。
見極めるように、見定めるように緋雪を見据えながら。
「貴女の覚悟、それとなぜ私達の所に来たのかも理解できたわ。……けど、いいのかしら?聞いた話では、その力は……」
「わかってます。……その結果が、人間をやめる事になるかもしれないのも、理解しています。……でも、その力を使ってでも、私はもう一度、お兄ちゃんに会いたい」
もう、緋雪の中で結論は決まっていた。
その答えを曲げる事は決してなく、故に忍も観念したように溜息を吐く。
「……わかったわ、緋雪ちゃん。それほどの覚悟を見て、断るなんてできないわよ」
「……ありがとうございます」
「礼は後。優輝君と再会してからよ」
忍は緋雪の頼みを聞き入れ、血を用意する事を了承した。
「ただ、あまり量は用意できないわよ?私達夜の一族は確かに血を備蓄してるけど……今は大門の後処理の最中。怪我人も多くいるのだから、私の家からも輸血パックとして病院等に提供しているのだから」
「あ……そうですか……」
「……これは、アースラの方でも頼んだ方がよさそうね」
「ですね……」
要は血さえ手に入ればいい。
日本だと、大門の件で怪我人が多数発生しているため、輸血用の血に余裕がなくなっているが、海外や地球以外の次元世界なら、当てはある。
「再三言うけど、気を付けなさい。貴
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ